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 みんなの登山記2009−31
 投稿者:たけさん

■2009年8月12日(水) 須走口

・ はじめに

私は登山に全く興味のない男でした。昨年、何の気なしに車で須走五合目にいってみると、電通登山の開催日で下山者が続々と下りてくるところでした。くたびれ果てながらも誇らしげな登頂者の様子を見ていると、アロハを着てサンダルを履いている自分が恥ずかしくなり、これは登らねばならぬと心に誓いました。

2週間後、妻と河口湖口より日帰り登頂成功。今年は家族全員で須走口より挑戦となりました。メンバーは、妻(44歳)娘(大学生)息子(高専生)と私(46歳)です。ルート選定のため、7月20日に須走口7合目まで実踏を行いました。

・ 登山口まで

11日23時に調布IC。中央道は東名不通による迂回車両のため若干の渋滞がありました。途中雨が降り出し、東富士五湖道路は霧で視界不良、ふじあざみラインも霧。12日午前2時五合目到着。駐車場は満車で引き返しを指示され1.1キロ下った10.4キロポスト付近に駐車しました。私の後からも続々と車がやってきます。出発する人もいて仮眠はあまりできませんでした。

・ のぼり

5時出発。五合目登山口まで、昇る太陽をみながら30分かけてゆっくり歩きます。東富士山荘で牛キャラの焼印をもらい焼印収集もスタート。古御岳神社にお参りをして快適な森の中のハイキングです。すると普段インドア派でコンピュータヲタクの息子がいきなり頭痛。酸素を吸って、しばし休憩。

六合目長田山荘に着くとそこは見渡す限りの雲海。非日常の別世界です。気分が良くなりずんずん進みます。

八合目から先は足元が滑り登りにくい個所です。下江戸屋で昼食。皇太子殿下ご宿泊の座敷でカップヌードルをたべます。「ここまできたら頂上まで行かなくては損だ」(娘)との一心で頂上を目指します。

次の小屋まで200mの表示。200mって距離でしょうか道のりでしょうか。ほんとに200mなのでしょうか。娘は怒っております。

14時5分。9時間かかりました。途中登山道を逆走して下りてくる人がいます。おかしいなと思いましたが、はたして登山道の終点に下山の表示がありました。整備された下山道があるのに、狭く混雑する登山道に下山者を誘導するのはどうかと思いました。

奥宮にお参り、朱印をいただきます。お土産に日付入りバッヂ・キーホルダーを買い、火口を見て、下山です。

・ くだり

七合目大陽館で大休止。砂走りをゆっくりと下ります。景色が最高です。雲海から頭を出す山々が島のように見えます。影富士が美しくくっきりと見えました。

砂払い五合目吉野屋で須走口全制覇の焼印をもらい、きれいな夕焼けに映える雲にみとれ時間が経ちます。吉野屋のおばあちゃんに暗くなるからみんなまとまって早く下りるように促され森に入ります。あっという間に暗くなり、あわててライトを出します。もうずいぶん歩いたのに、なかなか着きません。木の根に足を取られ、あっちに躓き、こっちに転げ、長い長い道を知らぬ同士、かたまりになって声を掛け合って進みます。後ろを振り返るとこの集団、1クラス分位になっていてびっくりです。

前方に白い建物が。古御岳神社です。なんとありがたいことか。視界が開け、星空が目に飛び込みます。こんなにたくさんの星を見るのは久しぶりです。

東富士山荘で念願のこけももソフト。富士山登頂をして食べるこけももソフトは格別の味です。休憩も長かったのですが、下りに4時間半かかりました。

・ 登山靴

今回、子供達はヤマケイ富士山ブックに大きく広告記事を載せていた大手量販店の8,925円の登山靴を購入。一度も馴らし履きをしないで登るといいます。靴擦れもまたいい思い出になるだろうと苦々しく思いながらもバンドエイドを用意して行きましたが、結果、靴擦れまったくなし。かかと部分が厚く柔らかくしっかりサポートしてしていい靴だなと思いました。デザインもかっこいい。一方昨年から5キロの減量をした私は足の形が変わっており、下山時に両親指にひどいダメージを受けてしましました。

・ まとめ

自分の足で一歩一歩登って、自分の足で一歩一歩下りなければならない。登ってしまえば逃げ道なし。道中、黙って歩きながら考える。久しく話していない家族と話す。大きくなった子供たちとゆっくり話したり、一本の水を4人で回し飲みしたり、ほんとに久しぶりのことでした。

このような素晴らしいサイトを運営なさっている管理人様に今一度感謝いたします。ありがとうございます。


(管理人)
砂払五合目の吉野屋からは、さらに標高250mも樹林帯の中を下山するので、けっこう大変です。 下山時にいろいろ美しい景色を堪能できて良かったです。



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(09/8/19)