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 みんなの登山記2009−5
 投稿者:H.Mさん

■2009年7月19日(日)〜7月20日(月) 須走口

一昨年の春ごろに息子との富士登山を思い立ち、このあっぱれ富士登山さんや登山用品店等で情報を集めつつ奥多摩の山等への山行トレーニングを一年間重ね、昨年の7月24日(木)~25(金)(二日とも快晴・無風の絶好のコンディション)に須走口より下江戸屋泊で山頂を目指しましたが、二日目に息子(小6)の高山病発症(吐き気、耳痛)で無念にも胸突き江戸屋前で断念し下山しました。 あいにくこの日程は広告会社の電通さん恒例の新入社員富士登山の日程と重なり、コースも宿も悲惨な状態でしたので、今年は梅雨明け直後で電通さんに重ならず、息子が少しでも高山病にならないようにとも思い7月27日(月)~28日(火)に見晴館さん泊での予定を立てていたのですが、7月の3連休中に息子がスイミングのサマーキャンプで不在ということを聞いて、下見登山を急に思い立ち、宿の予約を兼ねて一人で頂上を目指すことにしました。

7月18日(土)、自宅で家族と晩御飯を済ませたあと須走口登山口へと車で向かいました。今回の計画は、混み合うご来光登山は避け、車内で仮眠後早朝3〜4時頃に登山口を出発し、途中見晴館で来週分の宿泊予約を済ませ、登頂後に可能であればお鉢巡りをして下山するという日帰り登山予定です。 中央高速の都留付近からは富士山吉田口を夜間登山している頂上までの光の帯が見渡せました。須走インターを降りたところのコンビニでおにぎり等の買い物を済ませ、深夜12時少し前、アザミラインを登っていくと既にかなり下から路上駐車が始まっています。途中でUターンすることもできず、一旦上まで登ってから下りつつ駐車場所を探しますが、登山口より3キロ程下ったところでやっと駐車することができました。

7月19日(日)、ご来光登山を目指している人たちは続々と出発していきますが、自分ははやる気持ちを抑えて車内で仮眠をとり3時過ぎに出発しました。しかし行けども行けども登山口には着かず、4時頃にやっと菊屋さん前に到着しました。

菊屋さん前で念入りに準備体操をしてすぐに出発です。暗い中、樹林帯の中をヘッドライトとLEDライトを頼りに登っていきます。霧は有りませんが木々の上を強風が通り過ぎていきます。5時20分に長田山荘に着く前にはすでに曇り空の中でご来光は終わっていました。寒くなってきたのでレインウェアの上だけ着て小休止の後、次の山小屋を目指します。6時6分に瀬戸館着、樹林帯を超え低木地帯になってからは風が直接体に当たります。引き続き次の小屋を目指し、大陽館には7時20分着、雨も降り始め、風もより強くなってきたのでレインウェアのズボンも着用。見晴館には8時8分着、館内に入りほっとしつつ予定通り来週の予約を済ませます。下江戸屋には8時50分着、休憩もそこそこに次を目指します。おちおち立っていられないほどの豪風雨の中、胸突き江戸屋も通過し、いよいよ昨年は行けなかった(私にとっては)未知の世界へ入ります。

ここから先は急登だとは聞いていましたが、酸素が薄いせいもあり休み休み進むのですが普段喫っているタバコのせいか息を整えようにも全く呼吸が追いつきません。とにかく口を細くして息を出し切ってから吸うようにして先へ進みます。一歩一歩足を進めて行くと久須志神社に着きました。風雨を避けるため建物の陰に身を寄せて休憩を取り最後の登りにかかります。岩が増えてきて登山道というよりは岩盤を登るような場所を過ぎ、本当に牛歩のように進んでいくと、濃い霧の中におぼろげながら狛犬と最後の鳥居が見えました。上を見ないようにしてとにかく歩を進め最後の階段を登り、11時ちょうどにようやく平らな所に着きました。

おそらくここが頂上なのでしょうが、『平らな場所』と書いたのは、吹き荒れる風雨のため景色はおろか人もまばらで、見慣れた画像で知っている頂上の神社や山小屋群でやっと『あぁ、やっぱりここが頂上なんだな!』と思えた程度だったからです。取りあえず神社に入り登頂証拠のお守り等を購入してから扇屋さんへ入りました。手持ちのおにぎりを食べるためトン汁を頼みましたが、この悪天の中だと¥800-という値段は全然高いとは思えず、むしろ有り難いとさえ思えるほどでした。

 扇屋さんで早い昼食休憩で小一時間過ごし、記念のバッチを購入し日付を入れてもらってからレインウェア、スパッツ等を装着し下山の準備にかかります。郵便局発行の登頂証明書が欲しかったので11時45分に扇屋を後にして郵便局方向へと出ましたが、須走り下山口(有料公衆トイレ脇)の建物の途切れた所からは常時突風状態で強風が渦巻いていて、そこから先は下山口方向以外一歩も進めません。まさに生きた心地がしませんでした。(お鉢はおろか剣が峰方向の道が全く見えない状態。)やむを得ず郵便局行きを断念し下りにかかります。この突風は吹いてくる方向によってはかなり危険です。下山時に後ろから吹かれると突然誰かに押されたようで3〜4歩前に突き動かされるような状態です。また、横から吹かれた時には風と共に小石等が勢いよく飛んできてかなり痛かったです。(先日の落石事故の件もあり、落石予知のため風上を見ようとしましたが全く向けませんでした。)そんな状態で下りのブル道を慎重に下っていきます。豪風雨と霧は下江戸屋さんまで下ってきてもまだ収まりません。須走口専用下山道に入ってしばらく進んでようやく霧が晴れて下界が見渡せるようになりました。午後12時半頃、大陽館あたりまで下りてくると、完全な晴れではありませんが風も上ほどは強くはなく、これから登って来る人たちもレインウェアや防寒着を着ることもなくまだのんびりしています。

 さぁ、ここからは須走口名物の砂走りです。ここは去年も経験済みですのでそれほどの感動もありませんが、ブル道から砂走りへの入り口分岐部分が滑りやすく要注意です。膝痛持ちなので休憩を数度はさんで大股で慎重に下ります。湿気がかなりあるようで、埃もあまり出ないのでマスクをすることもなく砂払い5合目には午後2時ごろ到着しました。ここでスパッツや防寒着等を脱ぎ、炭酸飲料で一服してから登山口まで一気に下ります。もうここまで来ると風も全く無く雲はあるものの"非常にいい天気"です。小御岳神社でお礼のお参りを済ませて菊屋さん前に午後2時半ごろ到着。無事下れたお祝いに自分にコケモモソフトをいただき、最後に路駐の愛車まで下ります。結局車に着いたのは午後3時半。連休の中日なので道路も混んでいるだろうと思い早々に着替えを済ませ、温泉にも寄らずにまっすぐに自宅に向かい、午後7時頃ようやく東京都下の自宅に到着しました。

感想・反省・雑感
@ 今回の山行は、富士山の自然の猛威を見せつけられた登山でした。今後は危険だと思ったら潔く断念する気持を持ちたいと思います。
A 昨年に引き続き梅雨明け直後のほぼ同時期に登りましたが、去年より残雪が多く見られました。
B 文中の冒頭にも記しましたが、ご来光登山の時間帯を避けたのと悪天候のおかげか、5合目から頂上に至るまで終始渋滞することもなくゆっくりとマイペースで登れたので非常に精神的/体力的に楽でした。
C 路駐できたところが登山口から約3キロも下だったため、行き帰りとも余計に各一時間弱かかってしまいました。時間的にも体力的にもかなりのロスですが、この時期の休日なら仕方ありませんね。正直この往復でかなり消耗しました。
D 次週に開催される富士吉田登山レースの下見練習と思われる方々が大勢いましたが、あの悪天候の中をトレールランニングの軽装備で登るのは無謀としか思えません。
E 胸突き八合目から上の登山道を下って来る方が大勢いましたが、なぜせっかく用意されている下山道を利用せず、あの狭い岩だらけの登山道を下って来るのでしょうか? 下るには足場も悪いし、人が多い時には渋滞にもなるので、危険極まりないです。(言葉を交わしましたが日本人の方たちばかりでした。)
F 須走口は駐車場が狭いため混雑時はやむを得ず路上駐車することになりますが、バスの交通の為にカーブ部分に置いてある駐車防止柵を無視して路上駐車をしている人がかなりいました。マナーを守れなければ河口湖口のように混雑期はずっと進入禁止策を取られることにもなりかねないので、各人のマナー徹底がほしいところです。

※ 来週(7/27-28)のリベンジ富士山行本番では是非好天に恵まれ、息子の小学校時代の思い出に二人で山頂を踏むことができればいいなと思っています。

(管理人)
吹き荒れる風雨の中、登頂お疲れ様です。
電通富士登山は400人以上の人が参加するそうなので、それにぶつかると大変そうですね。電通はこのイベントは他の登山者のためにも、日程を告知した方が良いのではと思います。



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(09/7/30)