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 みんなの登山記2010−25
 投稿者:くわがたさん

■2010年8月4日(水)〜6日(金) 富士スバルライン

母子ともに初富士登山でしたが、天候、二人の体調、出会った方々の励ましと全てに 恵まれていたと思います。 何より、無事に下山できたことを感謝致します。
                                        息子の母より



ぼくは幼稚園の年中さん(4才)です。

8/4〜8/6に2泊3日でお母さんと二人で富士山に登りました。

きっかけは、年少さんの夏休みに、おじいちゃんとおばあちゃんと家族で五合目に 行ったことです。

吉田ルートの登山口までみんなでお散歩したのですが、ぼくだけ「頂上に行きたい」 と登山道を登り始めました。

その時はみんなに止められて諦めたけれど、それ以来、富士山を見ると「ぼくが登る お山だよね!」と言っていました。

今年の6月には頑張って高尾山に登ったので、お父さんとお母さんが登山靴をプレゼ ントしてくれました。

そして富士山にも「行けるところまで行ってみる」ことになったのです。

8/4

新宿駅からバスで5合目まで行きました。早起きしたので、ぼくはバスの中でずっと 寝ていました。

5合目に到着するとすごい霧で、下山してくる人達はレインコートを着ていらっしゃ います。

そこでレインコートを着ることにしました。大好きなレスキュー隊と同じオレンジ色 です。かっこいいでしょう?

お昼頃吉田ルートの登山口に着きました。ここからは楽しみにしていた登山道です。

最初はお散歩気分で楽しく登っていました。岩が増えてきてもジャングルジムみたい で楽しかったです。

でも、岩場ってずっと続くんですね。7合目トモエ館を過ぎた頃から疲れてきまし た。

そんな時です、30センチ位の岩から滑り落ちてしまいました。

ケガはしなかったけれど、疲れていたのと少し痛いのとで涙が出て動けなくなりまし た。

その時の登山道は行列になっていたので、通り過ぎる方々も心配して下さいました。

少しすると、列のずっと前のほうから伝言ゲームのように何かが手渡されてきます。

みなさんが口ぐちに「あの子に」「あの子に」とおっしゃりながら・・・。

そしてぼくのところに届いたのは、1個のキャラメルでした。

このキャラメルのお陰で元気が出て、無事に7合目にある1泊目の山小屋に到着する ことができたのです。

8/5

4:30にお母さんに起こされるまでぐっすり眠りました。

御来光を見るために外に出ましたが、ぼくはヘッドランプが気になって御来光どころ ではありませんでした。

日が昇った後は、朝食を済ませて頂上目指して出発です。

この辺りは山小屋がたくさんあるので、焼き印のコレクションも忘れません。

前日は雨のために焼き印を押して頂けなかったので、この日は張り切ってお願いしま した。

山小屋に着くたびに、お弁当を食べたりシャボン玉をしたりしながらのんびり登りま した。

下山後に登山をなさる方に伺ったら、これが結果的に登頂成功のポイントになったよ うです。

3000m前後の山小屋で、30分〜1時間ずつ休憩しながら登ったのですから、高 度順応もできますよね?

時間はかかりました。6:40に7合目を出発して、2泊目の頂上に着いたのは1 7:41。

お母さんは「お昼には頂上に到着する予定だったのに、明るいうちに着けるかし ら?」と心配していたみたいです。

8合目では、突然「5合目のメロンパンを食べたくなった〜!」と大泣きしてしまい ました。

「泣いたら下山する」約束をしていたけれど、「頂上に行きたい!」ので、メロンパ ンは我慢するしかありません。

近くの山小屋でコーンスープを飲んでいつもの調子を取り戻しました。

それまではお母さんが登るルートを教えてくれていましたが、元気になるとぼくがお 母さんにルートを教えてあげたんですよ。

「今度はぼくが案内するね。ここからここへ・・・ちょっと難しいけどお母さんに登 れるかな?」なんてね。

この日は河口湖祭で、頂上から河口湖の花火を見るのを楽しみにしていたのですが、 疲れていたので待ち切れずに早寝しました。

頂上からの影富士

8/6

前日より早く3:30に起きて、御来光を見る準備をしました。

外に出ると、ものすごい数の人!

御来光はとってもきれいでした。ピカピカ光って眩しかったです。

お鉢巡りは「行きたいけど歩けない〜」くらい疲れていたので、次回のお楽しみにし ます。

お鉢巡りの予定だった時間は、山小屋の近くでシャボン玉や凧揚げ、お絵描きをした りして遊びました。

シャボン玉は、一番楽しみにしていたんですよ。

「空気(酸素)が少ない所でもシャボン玉は膨らむかな?」と考えていたので、実験 してみました。

結果は? 公園と同じように膨らんで、風に乗って火口に向かって飛んで行きまし た。

頂上でのお絵描き

8:30 下山を開始しました。

8合目あたりでトンボをみつけて「虫カゴがあったらよかったね」と話しました。

下山道の途中でお昼寝した方、いらっしゃいますか? ぼくはお昼寝をしてしまいま した。気持ちいいですね!

大変な下山道でも、お母さんと同時に滑って転んで大笑いしたのはとっても楽しかっ たです。

14:30 6合目に到着すると、お父さんが迎えに来てくれていました。

お母さんは飲み物を買うために先に5合目に向かったので、ここからはお父さんと下 山です。

いつも抱っこしてくれるお父さんに今日も抱っこをおねだりしましたが、なぜか今日 は「ダメだよ」って言います。

ぼくは座り込んで泣いたりしましたが、結局5合目まで抱っこしてもらえませんでし た。

お父さんもお母さんも、最後まで自分の足で歩いて欲しかったんですって。

15:35 ぼくも5合目の駐車場に到着しました。食べたかったメロンパンも食べ られて大満足!

がんばり賞は、富士山に来る前から「乗りたい」と言っていた観光馬に乗せてもらっ たことです。

馬にはお家の近くの公園でも乗ったことがありますが、富士山で乗る馬はもっともっ と楽しかったですよ。

その後

河口湖畔でもう1泊して、翌日はアスレチックなどで遊んでお家に帰りました。

翌週は、通っているスイミングで1度も泳げなかった25mを泳げて、ひとつ上の級 になりました。御来光効果かな??

そして「年長さんになったらまた富士山に登りたい。少しお休みして、春になったら また練習するよ。」と話しています。

小さなぼくに声をかけて励まして下さったみなさん、どうもありがとうございまし た。

みなさんの「頑張って!」のお言葉で元気が出て、富士登山を頑張れたと思います。

また頂上でみなさんにお会いできる日を楽しみにしています。


(管理人)
「ぼくが登るお山だよね!」とはなんという名言でしょう。小さな子が登っていると周囲の人たちも気持ちが和みます。



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(10/8/14)