[登山記の目次に戻る]

 みんなの登山記2010−4
 投稿者:O.Kさん

■2010年7月17日(土)〜18日(日) 富士宮口

昨年は天候不順と勤務の都合などで富士登山できなかったのですが、今年はチャンスが訪れたので 2年ぶりに富士登山をしてきました。梅雨明け宣言、3連休と混むことは承知していましたが、 一昨年の登山で 富士宮口は混んでもこの程度かと変な安心感も持っていましたし、昨年は天気を気にしすぎてチャンスを 逃したという反省もあり、登れる時に登ろうという事にしました。 毎度の鈍足登山ではありますがコースタイムを採りましたので参考になれば幸いです。中年、超メタボ体型 、脚力は中の下(状況によって下)ということで。

○三島駅
いつものように横須賀線〜東海道線と乗り継ぎ三島駅に向かいます。富士急バスの窓口で富士登山セット券を 購入します。一番運賃の高い(\3,000)の須走口を指定して購入しますが、乗車券を受け取ると今までと表記が 全然違っていました。今までは、帰りの切符(\3,000の場合)は、各五合目から新富士駅、富士宮駅、三島駅、 御殿駅、河口湖駅と登山バスの路線がすべて(新松田駅は不可)選択できていましたが、今回は須走口新五合目 →御殿場駅しか乗れない表記になっていました。窓口で確認すると昨年から制度が変わり、帰りの登山口( 下山口)と乗車路線が指定されるようになったそうで、著しく不便になりました。天候や体調で下山口 を変更するケースも多いと思うので是非以前の制度に戻して欲しいところです。 最初からこのような乗車券であれば納得もできますが、値段も変わらず不便になるのは少々納得できないもの があります。私はこの時点で帰りは御殿場口にするか、須走口にするか決めていなかったので、残念ながら 切符を三島駅→富士宮口新五合目の片道切符に変更してもらいました。

○五合目まで
既に東海道線の車中から富士山が望めこれはいい登山日和になるとワクワクしバスに乗車しました。 いつもの16:15発のバスで向かいますが、乗客数は20名ほど。3連休だしもっと乗るかと思ったのですが。 グリンパあたりで雲の中に入りましたが、すぐに抜けました。富士山スカイラインはマイカー規制のため 渋滞なしでバスは定刻より若干早めに新五合目に到着しました。

○新五合目19:00〜新六合目19:17

新五合目では高度順応を兼ねて、三島駅で買った駅弁で食事をしたり、軽く準備運動をします。 ちょっと準備運動が不足かなと思いつつも登山を開始しました。 2年ぶりの富士登山に心がはやるのか個人的な感覚ですが、ややオーバーペースで新六合目に 到着しました。

○新六合目19:18〜新七合目20:13
この区間はいつ登っても55分と鈍足ながらも安定した登山です。この時間だとまだ降りてくる人も多いですが そろそろ灯りがないと厳しい状況でも相変わらず無灯火の人が多いです。

○新七合目20:27〜(元祖)七合目21:18
最初のオーバーペースがここで響いたのか、ちょっとタイムが落ちました。というかこの頃からあまりタイム を気にせず、時間もあるので無理しない(できもしませんが・・・)で登ろうと気持ちを抑えます。 毎度の事なのですが、個人的にはこのあたりが一番精神的につらい場所です。(新)七合目と言っても まだ登り始めて400m弱、まだ950m程登らなくてはなりません。自分はいったい何をやっているのかと 思うあたりでもあります(笑)。

○(元祖)七合目21:37〜八合目22:33
(元祖)七合目で防寒着を身に着け登ります。歩幅は短くコーナーは大回りでと言う歩き方を意識して登って いたのですが、八合目手前で段差を登る時、右足のふくらはぎが攣るアクシデントが起きてしまいました。 なかなか直らず、まずいなあと思いましたが、しばらくしたら治りました。ただ攣るようなことが頻発したら 下山もやむなしだなとちょっと萎えた気分で登山する事になってしまいました。

○八合目23:15〜九合目0:08
足に不安を抱えながらなので、とにかくゆっくり無理せずに登ります。途中静岡から来た富士登山が初めての 男性と話をしながら進みます。静岡在住と言いつつも実は東京から仕事で行っているとの事でした。せっかく 静岡に来たから富士山に登ってみようというのが動機との事でした。そういえば自分が富士登山する動機は 何だったかなと思いますが、常に漠然と一度は富士山に登りたいという気持ちがあったとしか思い出せません。 明日の朝は素晴らしいご来光が見えますよとか、綺麗に見えている星空を見ながらあれが天の川で なんて説明させてもらいましたが、初めての富士登山の方への励ましであるとともに、足に不安がある自分 の気持ちを奮い立たせる為でもあったのかもしれません。

○九合目1:00〜九合五勺1:35
幸い右足はその後何事もないので普通どおりに登山できました。新七合目あたりでは萎えた気持ちも九合目まで くれば既に標高は3,400mを超えていますし、あともう少しのがんばりです。

○九合五勺2:05〜山頂2:57
今回はさすがにこの区間は渋滞が多発しましたが、それでも50分程度で登れました。自分は足をかばうために 無理したくないのでどんどん道を譲ったので、実際はもうちょっと早く行こうと思えば行けました。 富士宮口の渋滞はこの時間ならピークでもこの程度なのでしょう。一昨年の週末に登った時も渋滞があっても 40分で登れましたから。ただあと1時間遅いとどの程度混むのかはわかりません。

○御来光

ご来光まで少し時間があるので座って待っていましたが。その際に左右の足とも攣りそうになりました。まずい なあ、下山大丈夫かなと不安になります。空が白み始めてから成就岳まで移動しますが、左のひざに違和感を 感じました。

東の空の低い部分には雲がかかりスッキリとしたご来光とは言い難かったですが、まずまずのご来光であった 思いますし、何より視界がよかったのは最高です。御前崎付近からちょっと雲が掛かっていましたが伊豆半島、 相模湾から三浦半島までよく見えていました。いつも雲に隠れてばかりいる山中湖も見ていました。

○下山開始
左ひざに違和感を感じたのでどこから降りるか迷ったのですが、長い砂走り区間のある御殿場口から降りる ことにしました。御殿場口は降りたことがないでの一度は経験したいという理由もありましたし、 砂走りなら膝に負担がかからないとの話も聞いた気がします。 ところが御殿場口降り始めるとズルズル結構滑る登山道のうえ、河口湖口の下山道ほどではないですが、 つづら折の登山道に少々嫌気がさしました。ただし視界がいいので景色は最高です。 ズルズル滑り変に足に負担がかかったのか、膝に痛みが出てきたのでエアーサロンパスを塗ったりしますが、 あまり効果がありませんでした。手持ちの地図には御殿場口頂上から赤岩八合館までは下り25分、赤岩八合館 のホームページは下り約1時間と表記されていますが、自分は1時間20分近くかかりました。赤岩八合館で大休止。

○宝永火口経由富士宮口

赤岩八合館で今回御殿場口往復で富士山の4ルートすべての登山口を走破する事になる方とお話をしました。 その方の話だと個人差はあるけど砂走りは結構膝に負担がかかるので宝永火口経由の方がいいかもということ でした。自分もよくわからないので、まず砂走りを降りてから御殿場口と宝永火口経由で富士宮口に分岐する 場所までの間で判断しようと降り始めました。 しばらく降りていると先ほどの方が追いつき声を掛けてくれました。思った程膝に負担がかからないので 御殿場口に降りるつもりだとその時は答えたのですが、降りているうちにやはり膝に痛みを感じてきたので 結局は宝永火口を経由して帰ることになりました。結果的に嘘つく事になってごめんなさい。

それでも御殿場口への未練もあり、宝永火口の淵でしばらく悩みましたが、ここからあと1300m近くも降りるのは やはり無理だろうと宝永火口へ降りて行きます。足は痛かったですが、このスケール感は一帯何なんでしょう。 富士山のパワーに圧倒されます。宝永火口は写真などで何度も見ましたが、実物はすごいの一言です。 これだけを見るためにハイキングに来る価値のある場所だと感じました。

宝永火口そばで荷物の整理をしたのですが、その際防寒用の耳あてと透明なUVカットのサングラスを置き忘れた ようです。何とも集中力に欠けた登山になってしまいました。こういう忘れ物が富士山のごみになってしまう のかと思うと心が痛みます。宝永火口そばで休憩後は新六合目まで少し登り返しですが、あともう少しなので 痛みをこらえて歩きます。結局途中で大きな休憩をしたこともありますが、下山に4時間半もかかりました。

○終わりに
今回は足に痛みを感じながらの下山になってしまったのですが、とにかく景色がよく、宝永山と宝永火口が 想像を超えるスケール感であることに驚き、充分楽しめた登山でした。ちなみに足(膝)の痛みは 半日ほどでなくなりました。

(管理人)
 ご来光の写真は、山中湖の上に雲がかかって幻想的です。私も経験がありますが、下山時の膝の痛みは本当に辛いです。



BACK  TOP  NEXT

(10/7/20)