■2010年7月31日(土) 富士宮口
未明出発、午前中下山というパターンに味をしめ、二度目の富士登山を富士宮口で
行いました。
前夜、仕事を終えてそのまま新五合目へ直行。旧高鉢料金所のところには「新五合
目まで渋滞0km」と出ています。しめしめと思いながら富士山スカイラインの登山区
間を快調に走らせていきました。
が、四合目を過ぎて次の左カーブ辺りにスターライトを持った警備員の姿が。その上
は下り車線上に路上駐車の列ができています。腹をくくって新五合目ロータリーの下
でターン、「新五合目まで1km」の標識の建っている地点で警備員の指示に従い20:00
頃路上駐車。
着替えてから仮眠をとりましたが、ときおり大きな笑い声やしゃべり声、金剛杖に
付いた鈴のチリンチリンという音がきこえてきます。同じように路上駐車した方々が
早くも登っていかれます。たしかに頂上で御来光を拝むには、少し早めに頂上着とし
て休憩時間も考えると、この時間には五合目を出たいところかと思います。
22時30分頃、そろそろ出ようか、いや待った、と悩みました。もし7月20日と同じ
ペースで登ってしまったら、御来光まで2〜3時間待たされます。だからと言って2時
〜3時まで待ったら、今度は前夜から山室に泊っている御来光登山の方々が一斉に出
てきますので、「人間による渋滞」に巻き込まれて後の行動予定に影響するかもしれ
ません。
結局23時に新五合目まで1kmの地点を出発しました。既に七合目あたりまで、ヘッド
ライトの列が出来上がっているのが見えます。新五合目でトイレ休憩、その後は息が
上がるより一つ手前のペースを守って歩き始めました。すると前を歩いている登山者
の方々が次々と近づいてきます。中高年の方もいれば、「山ボーイ」「山ガール」の
姿も少なからず見えます。軒並み、新六合目手前でハアハア言っていらっしゃいま
す。まだ体が運動モードに切り替わっていないのと、車で到着後すぐに歩きだしてい
る方も少なくないようです。
新六合目はオールナイトで営業しているようで、かなりの人だかりです。休まず通
過。最初の岩場でグループ登山の方を先頭に人の流れが滞っていました。そのしんが
りについて歩いていると、ちょうどいい「動的休息」になります。グループ登山の方
が止まって休んだりすると、こちらも休むのは何だか変な気がして、追い抜きさせて
いただき、ふたたび息が上がるより一つ手前のペースに。また滞って「動的休息」し
ては、追い抜いてペースを戻し、を繰り返しているうちにいつの間にか八合目。
八合目の鳥居を過ぎると、それまで前に見えていたヘッドライトの列が点になりま
した。人がめっきり減って滞らなくなったのはうれしいのですが、今度はガスが出て
きて怖い怖い。昨年の吉田口からの登山でもガスに見舞われましたが、今度のは夜の
闇が合わさっています。
九合五勺から先は先行する登山者の方もほとんど見えず、ヘッドライトに浮かび上
がるロープを頼りに登山道を探しながらの、我慢の登山が続きます。時折登山道から
外れそうになり、キョロキョロとヘッドライトをサーチライト代わりにすることも数
回。息があがりそうになってきた、と思った午前2時40分頃、山頂の鳥居が見えてき
ました。
キリは晴れそうにありませんが、銀明水を経て東安河原へ行き、NTT山頂局の跡
を風よけにしてご来光を待ちました。結局その場で2時間待ちとなってしまいました
が、体を動かさずにいると体温が奪われていくのが実感できます。下着から上着まで
全て着替え、フリース、さらにレインスーツも着こんで保温しましたが、やはり寒い
のは変わりません。そのうち眠くなっては起き眠くなっては起き……。
命の危険を感じた時、ザックからカロリーメイトを取り出して栄養補給しました。こ
れが効果あったみたいで、しばらくすると体が温まってきました。ただキリが晴れる
ことはなく、ご来光もおあずけ、お鉢巡りも延々と霧の中を歩くことになりました。
そんな天気にもかかわらず山頂の人出はかなり多く、奥宮や山頂郵便局には行列がで
きていました。
さて上りは杖を使わずに来ましたが、富士宮口の下りで杖なしというのは辛いもの
があります。頂上富士館で金剛杖を買い、山頂を後にして、各山小屋で焼印を押して
もらいながら下ることにしました。九合五勺胸突山荘では、霧で湿った金剛杖を囲炉
裏の上で乾かしてから、焼印のコテを当てていました。やはり行列のできる焼印は
サービスが違います。九合目を少し下ったあたりからキリがはれ、その先は新五合目
まで順調でした。八合目では池田館のおかみさん(?) の「焼印とアンパンで400万
円!」に「じゃ1千万円で」と千円札を出す私。新七合目では朝食に富士宮やきそば
を作ってもらい、休憩です。
さて新五合目まで下りてきて、さらに1km下って自分の車に乗ったはいいのです
が、その先で渋滞が発生。ただでさえ下りに路上駐車の列ができて道が狭いところ
へ、翌日の富士登山駅伝の準備で陸上自衛隊の車両が多数入っており、すれ違いの度
に10分くらい待たされました。下り車線の路上駐車は結局二合目高鉢駐車場まで伸び
ていました。これでは水ヶ塚に車を置いてバスで行った方が無難だと思いました。
(管理人)
「命の危険を感じた」とは。山頂で御来光を待つのは大変ですね。富士宮口は段差が大きいので、特に下山時は杖やステッキがないと足への衝撃が大きいです。
|