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 みんなの登山記2011−31
 投稿者:不二倉さん

■2011年8月28日(日) 吉田口

「遠足には猫は連れてけない いくら仲良しでも お留守番していろよ だって 山じゃ 死ぬこともある」「GO!GO!GO! HIKING BUS【筋肉少女帯】」という曲の歌詞の一部分です。山はやはり怖い所です。高山病、低体温症、滑落、落石、落雷、熊、道に迷い死ぬこともある危険な所です。山岳保険に入ったり、GPSを携帯するようになったり、登山を始めた頃よりも用心深くなりました。山へ出かける前には『天気』・『体調』・『準備』を確認するよう心がけています。
 登山記投稿5回目の不二倉です。 今年もよろしくお願いいたします。
 昨年の富士登山からこの1年の間は奥多摩以外の山にも行くようになり登山回数もまた少し増えました。八ヶ岳・谷川岳・鳳凰三山・・・白馬岳、どの登山も忘れられません。

 今年は「みんなの登山記」ふじ男さんの吉田ルート「皆さんもチャレンジしてみてください!」の一文に私の「やる気スイッチ」がONになりました。吉田ルートは一昨年、24時間もかけて神社から往復した思い出のルート。イメージはあります。富士登山認定証には全く興味がなく、タイムにチャレンジしたくなりました。毎年、ヘトヘトクタクタの情けない登山記なっているので今年はスマートに登り下って自分も「あっぱれ!富士登山」で「健脚の称号」を獲得したいと思いました。さて、結果はいかに???
 ※『 』はココロの声です。

□ いざ!富士山へ
朝。晴れ。ロケショー(ロケットマンショー【J-wave Radio】)を聴きながら準備、出発。中央高速下り。順調。トンネルを抜けると見事に雨。別世界。真っ白で何も見えない。登山は諦めて、まずは富士スバルラインで5合目まで行き、お土産でも買って、次に河口湖へ「なでしこジャパン」の監督が必勝祈願に訪れたと言う「黄金の七福神巡り」に・・と頭の中は完全に観光モードに突入。ところが高速を降りると電光掲示板に「富士スバルライン 駐車 1時間待ち」の表示。
『 1時間も・・マテン! マツくらいなら登る!』
結局、馬返しから徒歩で富士スバルライン5合目を目指すことにした。
雨は止んでいたが曇り。8月最後の日曜日とはいえ、この天気での混雑に驚いた。
『 天気も天気だし 今日はヤッツケ登山だな 』

□ 7:20 馬返し出発 12:40登頂
馬返しは満車。雨は降っていない。寧ろ晴れの兆し。車を路肩に駐車して出発。
『 ヤックルはここで待っていろ・・・』
映画「もののけ姫」に登場する「こだま」がたくさん生息していそうな森の道へと入った。 6合目に着くと天気は曇り。下山の人の流れは途切れないくらい混雑していた。安全センターで天気予報を確認すると雨は無い。登っている人もいる。頂上をめざす事にした。
『 凛として旅立つ 一朶(いちだ)の雲を目指し〜【坂の上の雲のテーマ曲】』  
軽装でクールな外国人部隊、高校球児と思われるオール坊主頭のグループと追い越したり、追い越されたりを繰り返し、御来光館にたどり着いた。
7合目あたりから御来光館くらいまでは苦しかった。いつもの酸欠フラフラタイムは今回も容赦なくやってきた。「スーーーーーーハーーーーーースーーーーーハーーーーーー」と人目を憚らず、声を出し呼吸し1歩1歩、動いた。
『 弱い自分にガマンする 【丹沢トレイルランニング YouTube】←自分じゃないです』
この区間で雨が降ったが小雨程度。風が無かったのが幸運だった。雨が強くなるようだったら8合目から一気に下山道で下ろうという考えもあった。御来光館からの頂上への登りは呼吸のテンポがよくなり、比較的、楽に登れた。頂上でお土産を買い、他人と世間話をしていると風が吹き始めたのでお鉢巡りはせずに下山することにした。

□ 恐怖の下山 落石
つづらおりの下山道で「ラーク!!」と上の方から男性の叫び声がした。
『 ラークって何だっけ??? 』
「落石だ・・・」という声が複数聞こえて、周りの人の足が一斉に止まり、空気が固まった。上を見上げるがガスって全く見えない。身構えていると数秒後にソフトボールくらいの石が2個、驚異のスピードで10mくらい先の下山道を横切って落ちていった。
気が回らなかったが、俺も「ラーク!!」と下に向かって叫ばなければならなかったのではないかと反省した。先の下山道で事故になっていないことを祈った。
(その後、落石よる人身事故は無かったようです)
 
□ 16:02 馬返しへ無事下山
 飛ぶように走って追い抜いていく男性2人組登場。危ないくらい早い。何故、そんなに早く走れるのかを尋ねてみると重心を前に倒しながら腿(もも)を高く上げ、歩幅を短くして走っていると言う。一人はフォアフット。踵(かかと)をつけてない。その場の思い付きなので、無理して真似しない方がいいと付け加えて言った。そして、俺の下り方は恐怖心から腰が引けていて、転びやすいのだと教えてくれた。驚いたことに一人は初登山。もう一人も何年ぶりかの登山だという。そんな話をしながら6合目まで一緒に下山した。彼らはスバルライン5合目へ。俺は馬返しへ。彼らとの楽しい会話のおかげで元気が出て、馬返しまでの下山道は積極的に挨拶をする人当たりのいい人になっていた。帰りには神社へ鹿くん見学に行き、その後、一昨年も寄った「泉水」へ。ひとっぷろ浴びに・・。露天風呂は気持ちも疲れた体も癒してくれた。

 さて、タイムですが・・登りに5時間20分、頂上に30分居て、下山に3時間かかりました。予想していたより早かったです。天気が曇りで涼しかった事、ザック、シューズがトレラン仕様で身軽だった事、登った経験がある吉田ルートであった事がいつもより登りやすくさせてくれたのだと思います。下山後の体の疲れも行動時間が短かった分、いつもと比べてかなり少なく、富士登山の苦手意識が減りました。厳しく見れば、「富士登山競走」では完全に失格レベルですが、この際、細かい話は抜きにしていただき、「健脚」合格ラインではないでしょうか。
タイムにこだわっているのには少し理由があり、10月に武蔵五日市で行われる「日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)」という大会にエントリーしているからです。
24時間以内に奥多摩の山道約71キロを辿るという過酷なレースですが、何の腹いせでも、罰ゲームでもなく、自ら思い立ちチャレンジすることにしました。がんばってゴールしたいと思っています。
天気のご機嫌を窺いながら恐る恐る進んだ登山でしたが、相変わらずの人の多さ、整備された道に助けられ無事下山できました。毎年、有難く思っています。
そして、内容はともかく、こうして登山記が書けたことがとてもうれしいです。
「あっぱれ!富士登山」万歳!!楽しい富士登山でした。


(管理人)
おなじみ不二倉さんの「ココロの声」付きの登山記です。楽しいですね。ハセツネCUPのサイトを見ました。まさに過酷なレースです。ご健闘を祈ります。



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(11/9/17)