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 みんなの登山記2012−28
 投稿者:J_Wakaさん

■2012年9月7日(金) 御殿場口

年齢51才・男性

今年は9月7日に、初めて御殿場口からの登山を試みました。(富士宮口6回、吉田口1回、今回が8回目)
初回の登頂以降、毎年富士の初登頂者を連れて上ることを楽しみにしていましたが、今回は久々に単独登頂です。

前夜は富士山静岡側で結構な雨量のあったことを確認しつつ、当日3時に起床して、東京から御殿場に向かいました。
御殿場5時頃の富士山スカイライン道からは、富士山の山影の右肩稜線に山小屋が煌々と輝くのが見え、結構な賑わいが予想されました。
御殿場口の駐車場に着くと、第一駐車場ですら5台しか停まっておらず、空いてると歓喜し、コンビニの朝食をかき込んでいるうちに、 雲の無い空の向こうの富士山頂に朝日が当たり始め、はるか先の頂上を目指してやる気がかき立てられました。

6時に登山口を出発:
これが大石茶屋だな、次郎坊だなと当HPで仕入れた情景を確認しつつ、ブルが登山道の傍らをゆっくり2台で登っていきます。
他に見える人影はなく、ひたすらゆるい傾斜を登ります。なお、前日の雨のせいか、富士宮口のように登山道と下山道が一緒でないためか、 登山道がしっとり・かっちりとある程度の固さがあり、ずるずると滑りながら登るのではなく、ゆっくりと踏みしめてロス無く登れる箇所が多く、 また、人が殆どいないため、なんとなく競って抜かれまいとしたり、早い人に譲ったり、下山者とのすれ違いに気を使ったりすることなく、 全くの自分のペースで登れることが非常に楽でした。

9時頃に6合目小屋に到着:
初めて先行の登山者に会い色々情報交換させていただき、おにぎりを2個食べていると、後発の登山者に抜かれ、早々に出発。
締った登山道を、固形食を食べながらひたすら登っていましたが、さらに若い登山者(御殿場駐車場を7時に出発)に追い越され、
10時半頃、わらじ館到着:
わらじ館はまだ営業しており、バイオトイレも稼動していましたので、有り難くここでしっかりと小用を済ませ、下山時に再び立ち寄ることにして、慌ただしく出発です。
その後、下山者数組・数人とすれ違い情報交換しましたが、みなさん下山のみ御殿場口を利用される方ばかりで、御殿場口を登ってきた 登山者は、私も含めまだ3人だけですとのこと。(ということは、私が抜かれた2人と、6合目小屋でお会いした方の4人だけ!?)
11時半頃、閉鎖中の赤岩八合館を過ぎて、さすが足が動かなく、千鳥足になりそうなところを、なんとか7時間内に山頂に着きたい一心で奮闘し、
12時半頃、ようやく山頂のお鉢部分に到着しました。
山頂は晴れて青空でしたが、眼下は雲が多く下界の眺望は殆どありませんでした。遅い昼食とメール等の連絡により、 剣が峰への出発は13時前、13時15分には十数名の他のパーティが写真を撮りあう、剣が峰へ到着、写真を取って頂き、
13時半、お鉢巡りに出発です。およそ1時間で再び御殿場口の場所に戻り、スパッツを装着、家族に下山を連絡して、
15時に下山開始です。
16時頃にわらじ館に到着。再びバイオトイレで小用をすませ、コーヒー(500円)を頂きました。山小屋の女性従業員さんの 淹れてくれたコーヒーは本当においしかったです。少し休む間に雲行きがあやしくなってきたので、気を引き締め出発。
16時半頃には、大砂走りの下山道へ分岐して、調子よく下り始めました。その後、岩も多く、それ程深くもない砂走りをこんなもんかと 下りながら、宝永火口への分岐(プリンスルート)を過ぎた頃からは、岩も無くなり、砂も深く、飛ぶような勢いで堪能して下り始めました。
しかし、10分も走らない内に、霧の中に駆け下り、霧の粒が大きくなったなと思ったら、あっという間に雨、瞬く間に強い雨になりました。
携帯等を防水袋でくるむのがやっとで、雨具を纏う間もなく大雨となり、次第に登山靴の中にも水が溜まり始め、長靴で 波打ち際を走るような感じで、ひたすら下ります。そのうち、土石流が発生して背中から呑まれるのではとの恐怖も感じながら、 ひたすら、強い雨で視界が殆ど利かない中、立ち止まることもできず、初めてのコースゆえ位置感覚もない中、 長い長い大砂走りとなりました。幸い転ぶこともなく、雷も鳴っていないため、一時白いロープの側線が消えている部分で、 迷いかけましたが、雨にかすむ大石茶屋が見えて、その後、なんとなく見覚えのあるコースを経てやっとの思いで、
17時45分頃、駐車場の車にたどりつきました。既に駐車場の照明が灯り、薄暗くなる中、雨中で人目もはばからず着替え、 ほうほうの体で、車中に逃げ込みようやく登山終了です。本当にお疲れさまで、計12時間の波乱万丈という感じでした。

殆ど休憩を取ることなく行動していたためと山頂までは晴天のため、お鉢にいる間以外は、ずっと半袖シャツ1枚に、ランニング用のスパッツ +半ズボンでも寒くありませんでした。水分は、登山時にお茶2リットルのハイドレーションを空にして、剣が峰で350CCのノンアルコールビール、 ハイドレーションに追加のスポーツ飲料を2リットル入れましたが、途中のコーヒーもあり、下山しても殆ど残っていました。
食べ物は、朝食を除き、おにぎり6個、固形食バー2本、チョコレート2袋といったところです。

今回は、8回目の富士山かつ単独なので、山への恩返しとの意味でゴミを拾うことを決めていました。
しかし、思ったよりゴミは少なく、登山中では、10個に満たない紙くずと、2リットルのペットボトル(砂に埋めていた節があり、昨夜の雨で露出?)と、 500CCのペットボトルが2個。この2個は登山道からはずれた場所にあり、拾うのに難儀しました。その他には、雨で濡れた大きな ビニール袋。ペットボトルは小さく圧縮すれば、殆ど荷物にならないのに、綺麗な富士に自分の置いてきたペットボトルがあることが 嫌ではないのかと思いつつ、休憩毎に、リュックにしまい込みながら、剣が峰経由で下界まで持ち帰りました。
御鉢めぐり中は携帯カイロ(下山して家に着いてもまだ発熱していた)、紙のマスク、大砂走りでビールのアルミ缶と、思ったよりは 少ない量でしたが、コンビニの小さい袋程度のゴミを持ち帰りました。

最後に雨に降られましたが、御殿場口は、雄大な景色が楽しめ、なにより人が少ないことから自分のペースで行動できるのが良いところです。
時間がかかり体力も必要ですが、一度は経験されることをお勧めします。


(管理人)
ほとんど休みなしで6時間半で登頂。健脚ですね。おにぎり6個という食欲も素晴らしい。 9月になっても七合目の山小屋が開いているなんて、御殿場口も様変わりしたものです。



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(12/9/10)