[登山記の目次に戻る]

 みんなの登山記2012−7
 投稿者:日野光治さん

■2012年7月14日(土)〜15日(日) 須走口

今年も7月14日・15日で富士山に行ってきました。

今回は今まで通ったことのないスバルライン口6合目から8合目の間を通って登下山することが目的。ただ私の自宅からは静岡県側のほうがアクセスが良いので須走口から登山を開始し、コノスジ中途道を利用することにします。 また、ほかの思惑もあり、お中道を通ってスバルライン口から須走口に戻ることも検討していました。

須走口から登るのですから須走浅間神社にお参りしてから、と行きたいところですがバスの都合も考えて御殿場駅近くの新橋浅間神社にお参りしてからバスに乗り込みます。

15時30分より登山開始。

ところで、長田山荘までの間の登山道で多数の下山社とすれ違います。下山道が長田山荘を経由するようになったという話はこちらのサイトで読んだ記憶があるのですが、長田山荘より下では登山道と下山道が同一ルートになったというわけではないんですよね?下山道を下りている人の姿も見えましたし。 それにしては登山道を下りてくる人数が異様に多いのです。

長田山荘に到着してみて、その理由がわかりました。下山道を示す標識の矢印が向いている方向には、下山道へ続いているであろう道と登山道の両方があるんですね。どちらの道に進むべきか悩んだ末、とりあえず下に続いている登山道のほうにすすんでしまう人が多いのでしょう。標識をもう少しわかりやすくしたほうがよいように感じました。

疲れているわけではないので長田山荘では休憩をせず、そのままコノスジ中途道へ進みます。やはり、麓からなどと言わずに五合目から登るのは楽ですね。

コノスジ中途道に入ってしばらくはシャクナゲの群生地。開化にはいささか早いかもとは思っていましたが、まだまだ花芽は堅いようです。というか花芽をつけている株の割合が少ないように感じました。今年は外れ年だったのでしょうか。

登山地図上のルートから、コースの上り下りはせいぜい30メートル程度の範囲の道かと思っていたのですが、実際には70メートル近い高低差があったようです。イメージより高低差はあるものの、須走口側からスバルライン側に向かって進む分にはそんなきついという感じはしませんでした。樹林帯あり、溶岩流あり、砂礫地ありと様々な風景を見ることのできるこの道は、登下山時の連絡ルートとして使うだけでなく、ハイキングコースとして利用しても楽しめるかと思います。

そんなこんなでスバルライン口六合目の安全指導センターには18時08分に到着。 小休止をして18時20分に出発します。このころはさわやかな風を受けながら気持ちよく登り始めたのですが、しばらく歩いているうちにひざ痛が出てしまいました。もともとひざが弱かったのですが、六合目程度までしか歩いていないのにもうひざ痛とは今までにないことです。私の体もだいぶガタが来てしまったということでしょうか。今後また麓から歩けるようになるだろうか…。

でもまだそれほどひどくはなっていないので、速度を落とし、立ち止まってひざを休める回数も意識的に増やして、だましだまし進むことにします。

このころから時々強い風が吹き下ろしてくるようになります。

七合目の岩場に差し掛かると、筋肉の使い方が変わるせいかひざ痛はやや楽になってくるのですが、風はますます強くなってきます。砂というにはいささか大きい粒も飛んできているように感じます。真正面から風を受けたりすると息も十分に吸えません。後で気象庁のウインドプロファイラを見たところ河口湖上空での風速は20メートルほどだったようです。
しかも雨も降り始めました。こういう気象条件では登山を中止することも考えたほうがよいのですが、まだ上を目指して進み続ける人は多数いますし、私ももう少し先まで進んでみようと思っていました。しかし岩場で強風を受けた時には「こんな中登るやつはバカだろ!?」と思ったものです。

そんな具合に上り続けていたのですが、途中で風にあおられた拍子にヘッドランプを落としてしまい、悪い事に点灯しなくなってしまったのです。ランプなしで登り続けるというのはやはり無謀というものでしょう。元祖室の前で朝まで待機することにします。今後同様のことが起きないよう、ランプが落ちないような工夫をする必要がありそうです。首から下げている人も見かけましたし、そういう装着の仕方のほうがよいでしょうか。いろいろ検討してみようと思います。

スープやココアやカップヌードルを買って体を温めながら朝を待つものの、風は一向に弱まる気配を見せないし、雨はどんどん強くなるし、体が冷えて血行が悪くなったせいか変な風に筋がこわばったせいか股関節痛が起きてしまうし。これは今回は登頂は諦めるしかなさそうです。ただ、元祖室から下山道に抜けることはできるものの、今まで通ったことのないところを通るという目的くらいは達成させてから下山しようということで上江戸屋までは登ることにします。

そうそう、私は今までの登山で雨に降られたことは何度もありますが、比較的短時間で雨から抜けていたので、近所の量販店で買った安物トレッキングシューズもどきに防水材をスプレーしただけのものでも何とか対応できていたのですが、今回は雨の時間が長かったこともあり、結構しみ込んできてしまいました。やはり靴はケチらずに防水素材を使ったちゃんとした品物で登ったほうが快適ですね。今回しみじみ思いました。

風に行く手を阻まれ、また、足の痛みをかばいながらゆっくり進み、何とか上江戸屋まで到着。後は下るだけです。
動き始めて血行が改善されたり筋のこわばりが緩んだのか股関節痛もやや楽になってきたものの、完全に解消されたわけではないのでゆっくり歩きます。

そんなこんなで獅子岩のところまで下りてきました。ここからお中道を通って須走口に戻るという計画だったのですが、GPSと地図から推測される入口付近には確かにマーキングのされた石はあるのですが、そこから続いていくであろう次のマーキングが見当たりません。GPSと地図を頼りに道なき道を進むことはできなくはないものの、スムーズに通り抜けることができず道を探してさまよい歩いている姿を下山者に見られ、遭難者やら不審者やらに間違われて通報されたりするのもよろしくない。 ということでお中道の通過は、今回は諦め、須走→スバルラインでの通り抜けを別の機会に企画することにして、そのままスバルライン口を下りることにします。コノスジ中途道で須走に戻ることも考えたのですが、なんとなくそのまま降りてしまいました。

今回は登頂できませんでしたが、今後の計画に向けての経験値稼ぎにはなったと思います。ただやはり登頂できなかったのは悔しいので今シーズン中にもう一度登りに行こうと思います。

(管理人)
コノスジ中途道は須走口六合目から吉田口へつながるルートですが、富士登山の地理を熟知していなければ避けるのが無難です。

日野さんのブログ→今回の詳細な登山記



BACK  TOP  NEXT

(12/8/6)