■2013年7月6日(土)〜7日(日) 富士スバルライン
昨年9月下旬、それは突然やってきました。
それまでは車で行ける所にしか行かないと明言し、コンビにも自販機もない山なんか
とんでもない・・・と思っていましたが、突然!「そうだ、富士登山にチャレンジし
よう」と思いつきました。
しかし無知でした。そう!登山シーズンは終わっていたのです。がっかり。
・・でもそれは幸いでした。富士登山について調べる時間があったからです。
靴、ザック、ウエアーなどをそろえる時間が取れたことや、低山での訓練?経験をつ
むことも出来ました。
「あっぱれ富士登山」のような情報サイトにもめぐり合えました。
7月が待ちどうしく、とにかく山開きしたら速攻で行くぞ!と決めていましたが、気
になるのはやはり天気です。
しかも休暇はとりづらいので、土日の登山。
57歳という年齢を考えると弾丸登山はとても無理なので小屋どまり。
山頂ご来光にはこだわらず、のんびり登山に心がける。
という条件付です。
となると最初のターゲットの日程は7月6、7日
一週間前の天気予報は曇り時々雨・・・
これはだめかぁ・・・
ところが三日前になると曇り時々晴れとなった。
これなら行ける!
早速6日の山小屋の予約をすべくインターネットで情報検索・・・
すると、前日まで満室表示だった8合目の山小屋が「若干空きあり」の表示。
早速電話!予約完了!・・・ホット一息。
さて当日のスケジュールですが・・・
山小屋はチェックインが15時からで五合目から4〜5時間と案内されている。
それでは5合目出発は10時にしよう。高山病が怖いので高地順応はたっぷり2時間
とる事とすると5合目到着は8時で、東京の自宅出発は余裕を見て6時。目覚ましの
セットは、寝過ごすとまずいので3時と・・・心配性の私は少しづつ時間を前倒しに
して計画を立てたのですが、実際は全くのノートラブル!
結局、目覚ましと同時に起床、高速道路も順調、そして五合目到着は6時!
でもこれが大失敗。
5合目駐車場は満車で2km手前の路肩駐車場へ誘導され駐車。登山開始まで時間は
たっぷりあるので一時間ほど、そこでぶらぶらと時間つぶし。その間にも観光だけで
来た車がぼちぼち帰宅すると、空いたスペースに誘導員が車を案内している。
しかたなく5合目駐車場まで無駄な登山をすると、ご来光登山を終わった人たちが下
山し帰っていく。空いた駐車スペースに下から車が上がってくる。あれぇ、もう少し
遅く来ればよかったのか???
今日の行程は8合目までなので登山開始はまだ早いと思い、おみやげ店のレストラン
へ。2階にあるレストランへ上がろうとしたら、団体の添乗員らしきおじさんが「こ
の時間は団体のみです」との事。ここでもスケジュールの前倒しが仇になっていま
す。
それでも、8時に開放になったのでラーメンをいただく。
あまりにも時間をもてあましているので、予定より1時間早く9時に5合目を出発す
ることとしました。
はじめは下りなので軽快です。本来ならば意識してゆっくり歩くように心がけるので
しょうが、3時間も高地順応をしたので普段のペースで行きます。下山してくる人た
ちは登りとなるので足取りが重そうです。これは帰りがきつそうだ、と覚悟する。
泉ケ滝から登りになりますが、たっぷりの休憩で気合十分。決して早くはないですが
マイペースで進んで行けます。
6合目を過ぎると、7合目からの山小屋群が見えます。ここから見る山小屋は斜面に
張り付いているように見えます。
見える範囲の小屋だけで約2000人の収容力がある宿泊施設なのですから驚きです。
急ぐ旅ではないし、のんびり気持ちよく高度を上げていき、程なく花小屋に到着しま
す。
富士登山が初めてですから、富士山の山小屋も初めてです。
興味津々で小屋前の通路や看板を写真に収め、小屋の中をのぞいたり、焼印を押す様
子を見たりと、すっかり怪しいおじさんになっています。
と、そこで「AED設置」の看板を発見。実は小生、東京消防庁の応急手当普及員の
資格を持っており、AEDの扱いの指導が出来ます。
富士山の山小屋までAEDが普及しているとはすごい事です。
花小屋からすぐ上に日の出館が見えます。今度の山小屋はどんな所かなと考えながら
上っていくので、気分的にも楽ですし山小屋ごとのベンチで小休止できます。まる
で、お祭りの屋台を覗いて巡るようで、次々に現れる山小屋を見て回るのでちっとも
疲労感はありません。
山小屋群の移動は岩場の移動になりますが、遠回りになってもなるべく段差が少ない
ところを選んで登っていきます。そうしている自分の脇をスポーツタイツに短パン、
小さめのリュックを背負った若者が、一気に上っていきます。彼らは天狗か?山伏
か?と思いながら自分はマイペースで登っていきます。
東洋館から太子館に移動しているとき、岩場のちょっと広くなっているところを見つ
け小休止をしていると、下からピンクの半袖Tシャツに白のミニスカートの女性が
登ってくるのが見える。軽装登山をする人がいるとは聞いていたが、半袖Tシャツに
ミニスカートはないだろ。その格好で山頂まで行くつもりなのか。
そうこうしている内に、10m位下までやってきたとき、なんと靴だけは登山靴を装
備していることがわかった。??なんだ??
そしてあっという間に自分の数メートル横を通過。「半そでで寒くないですかぁ」と
声をかけると、こちらを振り向いて「だいじょーぶでーす。山頂までがんばりま
しょぅ」とガッツポーズ。。。
?☆!%&それはロングヘアーの男性であった。これにはショック。唖然としている
と、彼(彼女)はあっという間に登っていってしまった。
その後の工程は、ミニスカートの彼(彼女)の事が気になってよく覚えておらず、あ
の格好で山頂まで行ったのか?彼(彼女)は何者なのか?という思いが頭の中をめぐ
て、あぁこれが今回の一番の思い出になるんだろうなぁ、などと思いながら登ってい
くこととなります。
ショッキングな事件が頭から離れないまま、14:40今夜の宿泊の元祖室さんに到着。
チェックインの時間前に「予約してある者ですけど・・・」と安易に入っていくと、アルバイトの怖いお兄ちゃんが「チェックインは15時からだから、外で待っててくれ!」と放り出されちゃうかもしれません。
そこで、金剛棒に焼印を押してもらうお客さんの後に付いて室内を覗くと、すでに
チェックイン待ちと思われるお客さんが10人ぐらいいる。
あれ?いいのかな。と思いながら「今夜予約しているんですけど・・・」というと、
明るい声で「お疲れ様でしたぁ。靴をこれに入れてここでお待ちくださ〜い」と、袋
を渡された。。
第一印象的には、まぁまぁかな。15時前であったが、チェックインが始まっていま
した。
料金は前払い。
支払いが終わると、食事時間の説明があり、ご来光登山に行く人の起床が1時である
ことと、山小屋でご来光を見る人の起床が4時であることの説明があった。またここ
数日は天候が悪く、夜間登山が危険と判断される場合は、ご来光登山の中止してくだ
さいとのこと。
まぁ、宿が中止してくださいと言っても、弾丸登山の人たちは下から登ってくるんだ
し、自己責任で行く人は行くんだろうなぁ・・・などと思いながら、寝床に案内され
た。宿泊者への対応は別に問題ないじゃん。
この山小屋は、布団ではなく寝袋です。この方が一人一人の居場所が確保できるので
いいかも。
それにしても狭いなぁ。自分の寝袋をめくり上げたら、その下に隣の寝袋が挟みこま
れていた。一人当たり45cmと聞いていたが、上向きで寝たら45cmはオーバー
する。隣の人が横向きになった時に上向きになるしかない。
次々にお客が寝床に案内されてくるが、グループの一番端が女性の場合は、次のグ
ループは女性が隣に来るように配慮をして手際よくお客を案内している。
食事の時間になり食堂へ行くと、食事担当のお兄ちゃんが「ではここにどうぞ」と親
切に案内された。おぉ、意外と親切な対応である。
食事はおなじみのカレーライスですがウインナーのトッピング付き。暖かいお茶が
サービスで付く。自分的には全く問題ない。と言うよりきちんとやってくれています。
翌日、ご来光登山の起床時間に一旦起きて外の様子を見に行くと、山小屋の前には宿
泊者の半数が集まっています。そこに下から登って来た人たちが加わって、山小屋の
前は大賑わいです。また、山小屋から下を見ると、登山者のヘッドライトの列が見え
ます。これだけの登山者が山頂を目指すのだから、渋滞は容易に想像できます。
山頂でのご来光にはこだわっていないので、一旦就寝して4時に再起床です。
8合目からきれいなご来光を見ることが出来ました。山頂方向を見ると雲(ガス)が
掛かっており、山頂ではご来光は見れなかったと思います。
山小屋では、「下山する人は下山道まで案内しまぁ〜す」と呼びかけています。風も
強く、山頂方向はガスが掛かっているので、ここで下山する人も沢山いました。
今回は『体験登山』と決め付けているので、霧が出ようが、風が吹こうが、景色が悪
かろうが、とにかく山頂を目指します。
5時20分に元祖室を出発。御来光館から先は山頂まで山小屋がないので我慢の登山
です。「はぁーふぅー」と一呼吸で一歩進みます。しかも歩幅は30cm。
ここまで来ると、登山道の脇でへたり込んでいる人が目立ちます。「もう動けませ
ん」とばかりに手を壁について首をうなだれている人がいます。また、蛙を裏返した
様に仰向けにひっくり返っている男性もいました。息をしているのかと心配になりま
す。その傍らに、体育座りをしているパートナーと思われる女性が頭を膝小僧に乗せ
て、これもグロッキーですというスタイルでいます。
時折登山道を下ってくる人がいますが、外国の方なら仕方ありませんが山頂には案内
板がないのでしょうか。まぁ、「ここは登山道で、下山道は向こうですよ」と言っ
て、また登ってもらうのも気の毒なので何も言わず道を譲ります。
狛犬を過ぎ鳥居をくぐって残りの階段を登り終え、最後の石段を両足でピョンと(実
際はドタ)と飛び越え、登頂達成の万歳をします。
いやぁ、よくこんな高いところまで登ってきたものだ・・・・と自分を褒めてあげた
い所ですが、周りは霧と風で景色も見えず、富士山山頂に来た気分になれなかったの
が残念です。景色も見えず時折体が飛ばされるような突風が吹くので、お鉢めぐりは
出来ません。
急いで下山道へ向かいます。
下山道も時折突風が吹くのでその度に下山中の人の列が止まります。
高度が下がれば風の勢いも小さくなるのではと思い大急ぎで長いつづら折の道を下っ
ていきます。
そして8合目江戸屋の分岐に到着。なるほど、分岐の看板が出ていますので間違わな
いように、山小屋を回りこむように吉田口へ進みます。
ここから、須走ルートの見晴館が少し下に見えますがその次の大陽館はかなり下のほ
うに見えます。吉田ルートに比べると小屋の間隔の違いがわかります。
さぁ、あとは道なりに降りてゆきます。ジグザグ道が下界へと続いていますが、降り
ても降りても高度が下がらない感じです。
ここも「いろは坂」のようにコーナーに番号が書いてあれば少しは目標にできるので
はないかなぁと思う。
やっと下の方に見えていた建物に近づいて「やれやれ指導センターまで来たか」と
思ったら、大きな勘違いでそこは公衆トイレでした。
そう言えばまだシェルターのトンネルを通っていなかった。
山腹を横断するように横に進むと、シェルターのトンネルがある。トンネルの中は段
差があって、そこを下るのは疲労がたまっている膝に大きな負担になる。危険と分
かっていてもシェルターの外を歩いてしまいます。
後は下るだけと思っていましたが、泉ヶ滝からは登りとなります。お馬さんの落し物
に気をつけながら最後の気力と体力を使って、5合目に到着したときには、ヘロヘロ
状態です。
しかも駐車場まであと2kmあります。山頂まで行って帰ってきたのですから、2km位
わけがないと思っていましたが、いくら歩いても自分の車の駐車場所までたどり着き
ません。
這うように歩いてようやく自分の車に到着。長かった二日間を思い起こし、「ミニス
カートの彼氏は無事に登頂出来たのかな」などと思いながら帰路につきました。
おまけですが・・・・
@初日、駐車場に到着後、隣の車の後部ドアが強風にあおられて、自分の車に激突!
凹んでしまったので保険で直してもらうことになりました。
A帰路についた直後、車のエアコンが故障
35度の猛暑の中、エアコンなしで渋滞の中央道を2時間半かけて帰りました。
(汗)
『体験登山』と決めていましたが、さまざまな体験が出来た富士登山でした。
(管理人)
御来光館(八合五勺)のサイト「今日の富士山」で、7月7日の御来光写真を見ると、確かに霧が深くて良く見えません。YouTubeに当日朝の動画がUPされていました。ものすごい強風です。→YouTube
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