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 みんなの登山記2014−4
 投稿者:かえるのピガロさん

■2014年7月29日(火) 須走口

だから面白い富士登山

須走ルート
天候 晴れのち霧
今回は嫁さんと長男と私ピガロの3名
2年ぶりの長男参戦での日帰り登山
ちなみに我が家では山小屋1泊の登山は致しません。
お金と時間がないので
「富士は日帰りで登るが我が家訓」(笑)となってます。
長男は年長から富士登山を始め
初挑戦の年長で9.3合目
2回目、一年生で8合目
3回目、2年生で初登頂に成功
去年は不参加で
今年へと
今回は4回目の挑戦、まぁ4年生ですし体力も違うので行けるかな?
って所で練習もあまりなしほぼぶっつけ本番
今回登るコースは
「須走ルート」
7月29日現在、車で行けるのは ここと異次元の御殿場ルートだけ
この日は出発が遅くなり
須走口5合目に到着したのは夜中3時30分
長男もあまり寝てないので
出発を6時過ぎに遅らせることに
スタート時の天気は良好
山頂もよく見えてます。

雰囲気のいい山小屋前を通り
階段をあがると古御岳神社があります。
ここで安全登山を祈願して
いよいよ始まる登山
標高2000Mを少し割る高さから始まる
須走ルートは樹林帯から始まる変化に富んだコース
このような緑に囲まれるのは須走のみ

始めは傾斜もきつくなく楽しみながら登れるのが良い所
ここが最初の山小屋

長田山荘2425m、通称「しゃくなげ山荘」とも呼ばれる
最初の山小屋
ここまでスタートから1時間30分
まだ新6合目・・・先は長い
こちらの社長やスタッフの方と話に花が咲き
思わず長居していまいました。
色々な話が聞けるのも富士登山の醍醐味
お世話になりました。
つぎに目指すは7合目
といきたい所ですが
実はそうでないのがこの富士登山
長田山荘は新6合目
そんで次に到着した
瀬戸館2700m、こちらは本6合目・・・
まだ6合目・・・長田山荘から結構登ってますけど・・・
このからくりは富士宮ルートなどでもあり
よく知らない方はこれでなえるとか
ちなみに前出の長田山荘は昔「林館 本5合目」で営業していました。
瀬戸館を超えると木々も小さくなり
景色が開けてきます。
登り続け・・・

やっと到着
7合目、大陽館2925m!ちなみに
太陽ではなく大陽で「たいよう」と書きます。
エキスパートご用達の山小屋で
雪の積もる10月中旬まで営業しています。
さてここまでくると周りの木々はすっかりなくなり
いつもの景色、富士山に登ってる感じがします。
標高も3000mを超えようかと思う
見晴館の手前で長男ペースダウン
急に遅くなり始めたところで
3200m地点の見晴館に到着
お約束「本7合目」ってことで大陽館につづき2つ目の7合目

少し長めに休み再出発も
やっぱりペースが上がらない・・・

そうです。これが高山病
それでも登りたいのか悔しいのか・・・
頑張って登って
やっと到着してのが
8合目下江戸屋3350m

山頂まであと少しですが
これ以上は無理と判断することにしました。
でも折角きたので
年に一度の富士登山である嫁さんに一人で山頂までいってもらい
ピガロと長男はここで体力の回復を待つことに
ちなみに子供連れ登山で重要なことの一つ
「登らせない勇気」
家族との特別な富士登山
みなさんそれぞれに計画を立て登頂を目標に頑張ることでしょう
だから親も必死
「頑張れ!頑張れ!登るんだろ!!」とゲキを飛ばす親御さんを時々目にします。
しかし、その頂は4000m近い超高山
日常では考えられない過酷な環境なのです。
体の小さい子供は
体力や精神面においてもこの環境では完全な弱者と言えます。
高山病は基本的に下山するほか根本的な回復は見込めません。
無理して上がれば最悪、歩行困難に陥る危険性も
こうなってしまうと
山小屋の方や警察に救助を要請するような事態になってしまい
何の為の登山なのか正に本末転倒
実際、9合目で親御さんが完全に高山病でグロッキーな子に
「お前ここにはタクシーあるのか」
「自力で歩くしかないんだよ」
「富士山だぞここは」
と大声で叱責してるの見たことがあります。
子供さん泣いてましたねぇ
気持ちは分からないでもないですが
体がついて行かないのです
これを無理やり登らせるのは
「虐待」と同じだと考えます
リーダーである親が適正な判断ができないと事故につながります。
我々の登山も
子供連れの登頂成功率は
4回中わずかに1回です。
日帰りなのでかなりハードルが高いのは承知です。
だからこそ「登らせない勇気」が必要なのです。
今回も残念でしたが
8合目で十分体力回復をしたので
下山は驚くほど元気でした(コイツまだ登れたんじゃないの?と思うほど)

登山者は無事に帰る義務があるのです。
それにしても・・・
8合目の下江戸屋で休憩して感じたことなのですが
登山者が例年になく少ないような?
マイカー規制強化の影響ですかね?
シーズン入ってからのこの人の少なさ
まるで9月のような感じ・・・さみしいですね。
今年は残雪や世界遺産登録2年目で
両県で開山日が違ったり
山頂にトイレがなかったり色々混乱しましたからね
ただ一つ思うのは富士登山で絶対安全はありません。
行政が安全のため色々なことをしてますが
登山者は自分の身は自分で守るのが原則です。
楽しく登って無事に帰ることが何たって一番ですから!
ですので繰り返しますがお子さんには無理をさせないように
してあげて下さい。
親子登山が登頂成功で終われれば最高ですが
たとえ登れなくとも挑戦したことはお子さんにとって掛けがえのない
経験になります。当方の登山記が少しでもご参考になれば幸いです。
お付き合いありがとうございました。

↓こちらのブログに写真付きで詳細に記載されています。
かえるのピガロ店長が行く!食材探訪記


(管理人)
富士登山では「がんばれ!」は禁句ですね。頑張りたくても身体が思うように動かないのだから仕方ありません。



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(14/8/7)