9月の富士登山
登山道開通期間
静岡県側<富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルート> ~9月10日
山梨県側<吉田ルート> ~9月10日
その他、トイレや救護所などの主要な施設の開設期間は、
富士登山オフィシャルサイトの「登山シーズン」のページにまとめられています。
(久須志神社 2006年9月17日撮影)
2014年から登山道の閉鎖が遅くなりました。これまでは8月末に登山道を閉鎖しても、9月上旬から中旬までは、毎年、多くの(富士登山に慣れた)人たちが登っていました。吉田ルートでは、山小屋も多く営業しており、バスツアーまでありました。閉鎖時期を遅らせたのは現実的な対応だと思います。
登山道が閉鎖されれば、もはや観光登山とはいえません。すでに富士登山を熟知していて、当サイトを見る必要がないエキスパートでなければ登るのは控えるべきです。また9月に入るとどんどん気温が下がっていき、降雪がある年もあります。注意が必要です。2012年は9月12日に初冠雪、2013年は8月26日に山頂の水が滴る場所が凍結、2014年は8月23日に山頂に雪が降りました。この時期は寒さ対策が重要です。
現実には、登山道が閉鎖されても登る人はいます。ただ、閉鎖されたら登山道の整備は終わりますから落石などが心配です。また、降雪時の対応など、十分な知識や経験を持った人でなければ、止めるのが無難です。そもそも登山道は「県道」なので、行政が通行禁止を設定したら、通行してはいけないのです。
トイレが利用できる期間
山小屋が閉店するとトイレも使えなくなります。これが特に女性には大問題です。富士山の上部では隠れて用を足せるような場所はほとんどありません。女性と同行する場合は注意して下さい。
公衆トイレの開設期間は、冒頭でご紹介した、富士登山オフィシャルサイトの「登山シーズン」のページを参照して下さい。山頂には2つの公衆トイレがありますが、吉田、須走側は閉鎖が早いです。
9月中旬以降~冬~6月まで
山小屋が閉鎖してしまう9月中旬以降は、もはや「観光登山レベル」を逸脱しています。登山客がさらに激減してしまうと、万一途中で足を負傷して動けなくなった場合、救助を求めることも難しくなります。そして、この時期は富士山の上部では雪が降る可能性が高くなります。もし登山中に動けなくなり、軽装備で一晩、雪の降る山中で過ごす事態にでもなったらそのままアウトです。平年、初冠雪は9月下旬から10月上旬頃とされています。もちろん、それ以前でも山頂に雪が積もるようなら、止めるべきであることは言うまでもありません。
(撮影2005年10月15日)
10月後半から11月になると新雪なだれの危険がでてきます。とにかく雪が降ったなら、もう我々素人は登るべきではありません。それ以降は「登山家」さんたちの季節です。初日の
出を富士山頂で見ようと登る人や、厳冬期にヒマラヤ登山の訓練のために来る人もいます。でももちろんそれらの人は、冬山用の登山技術と装備を持って登るわけですし、それ相応のリス
クを覚悟して登っているわけです。なにせ、凍結路から滑落する事故がけっこう多い。5月頃でもそういう事故があります。滑落事故に関する情報は
積雪期の富士山のページの「事例1」と「富士山事故報告書」を見て下さい。5月頃は積雪が一番多いぐらいでして、まだまだ富士山は完全な冬山です。
富士山の雪解けは遅いです。7月上旬でも残っていることがあります。その場合はブルドーザー道を登るように指示されたり、山頂まで行けない場合もあります。
観光登山には関係ないですが、吉田口五合目の佐藤小屋は冬期でも店を開けている時期があります。登山家のみなさんが冬期登山に利用することが多いようです。