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積雪期の富士山(事例1)

【ご注意】積雪期の富士登山は熟練した高度の登山技術、経験、体力が必要です。このページの写真は11月で、まだまだ雪が少ない状態です。真冬の富士山は凍結した雪に覆われており、大変に危険です。

登山者:土屋四郎さん
登山日:2001年11月23日


 冬の富士登山もこなす土屋四郎さんから写真を送っていただきました。なかなか見ることのできない景色なのでお願いして掲載させていただきました。土屋さんは2001年に6回登頂されたそうです。特に9月は、2日、6日、21日の3回。登頂して4日後にまた登るとはすごいですね。

雪の富士宮口山頂(18KB)
 2001年11月23日の富士宮口の山頂です。最も積雪が深くなる4月下旬頃には2m以上の積雪があり、鳥居が埋もれてしまいます。

雪の馬の背(23KB)
馬の背と剣が峰の富士山測候所を見上げたところ。すでにレーダードームは解体されています。向かって右側が火口内部です。1999年11月末には、ここでスノーボードをしていた男性が火口から30m下で負傷。富士山測候所の職員が救出した、なんてことがありました。

雪の馬の背(23KB)
 石碑の下部の台座が埋まっているので、積雪は40㎝ぐらいでしょう。

冬期の富士登山は危険です。

土屋さんも危機一髪でした。

(土屋さんからのメール)
 12月23日、宝永山の写真が撮りたくて、水が塚駐車場に車を停めて須山口から登り、宝永山の写真を撮って、帰りに砂走りを下りて双子山を経由して須山口下山道で帰ろうと考え歩きはじめ、水を飲もうと立ち止まったとき尻もちをついたらそのまま滑り始めてしまい、仰向けの状態だったので滑落停止姿勢がとれずに何度かバウンドした時に、今度はうつぶせになりましたがアイゼンが刺さらずピッケルも弾かれてしまいました。そのうち地面から突き出ている岩が見えて、もうだめだとあきらめた次の瞬間、バーンという音とともに被っていたヘルメットと毛糸の帽子が飛んでいくのが見えました。

 その後「まだ生きてる。あきらめてはダメだ」と思い、再度ピッケルを地面につきたてながら滑っていったら、日光に照らされ柔かくなっている地面があって上手く刺さったようで止めることが出来、死なずにすみました。冬装備でいたのですが左脇肋骨2本 右脇肋骨1本 右手の甲を骨折 左足首捻挫その他体中傷だらけでした。また、滑落時何とか停止できる姿勢になろうとして無意識のうちに爪を立てていたせいか左人差し指と薬指の爪が半分はがれてしまいました。それと最近になって以前治療した歯が痛み出したので被せてあった銀歯を外して診た所、中の歯が割れていて、こんなとこにも事故の影響が出ていました。このところ11月23日に登った時も何の障害もなかったので少し気が緩んでいたようです。死なずにすんだので良い戒めとなりました。

 滑り落ちている時思っていたことは、多分助からないだろう、どうせ死ぬならなるたけ痛い思いをしたくないというのがホントの気持ちでした。インターネットで滑落事故を検索すると大体が本人死亡となっていて同じパーティーの人が事故報告という形でのせている場合が多いようですね、ですから滑落時何を思ったかなんて誰も書いていませんでしたが、昨年の4月に富士山で滑落を経験した樽家さんという方も私と同じようなことを事故報告に載せていました。彼は私より重傷で社会復帰に半年以上かかったのこと。(樽家さんの事故報告書はこちら

 きちんと傾斜の緩い砂走り下山道まで戻ればよかったのですが、避難小屋地点まで降りて須山口下山道を行く場合、また右に移動しなければならないので、つい、宝永山の途中から真下へ向かってトラバースし、途中水を飲もうと立ち止まった時、ザックの脇ポケットに入れてあるボトルを取り出すのにちゃんとザックを下ろして出せばよかったのに右手で強引にボトルを取ろうとしたため、体重をかけていた左足がずれ、しりもちというか背中から落ちて滑り始めたというわけです。

 この時期頂上は目指さなくとも御殿場口から七合目辺りまでは、比較的緩やかなので一歩一歩気をつけて歩けば、そして急斜面には近寄らなければ、もしつまずいて滑ったとしても滑り台を降りているぐらいですみそうです。(途中に地面から突き出ている岩などがなければですが・・・) 夏場は、ジグザグに登る登山道ですがアイゼンをきかせながら真っ直ぐに登ることも可能というわけです。 私が滑落した時も八合目辺りに訓練にきている人が3人、避難小屋の横にテントを張っている人が2,3人いて私が何とか止まり立ち上がったのを心配そうに見てました。まぁ今回の事故は本当にいい教訓になりました。今シーズンは山開きを待って富士山を楽しみたいと思います。

・なお、当サイト管理人は雪山登山に関して全く経験も知識もありません。
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■4コママンガ
ショーちゃんの富士登山
親子登山の様子を描いた4コママンガです。富士登山の雰囲気が分かります。ぜひ、ご覧になって下さい。

■ルート別解説
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