■2007年9月1日(土)〜2日(日) 河口湖口
河口湖口から1泊、下山は御殿場口
横浜市在住、49歳の男性。今回が7度目の富士登山です。去年、中2の息子を連れて富士宮口を日帰りで登り下りしました(
みんなの登山記06-5)。これは3人兄弟の長男でした。子供の足はどんどん大きくなるので、すでに去年の登山靴が履けません。この靴を活用しようと、下の2人に向かって「兄ちゃんの登山靴が履けるようになったら一緒に登ろう」と常々刷り込みをしていたら、中1の次男が「登ってみたい」と言い出しました。靴を履かせてみると、これがぴったり(シンデレラか・・・)。夏休みの最後に子連れ登山が実現しました。
直前のテレビ東京「アドマチック天国」富士山特集を見て、彼がとくに興味を持ったのが御殿場口の大砂走りでした。そしてすし詰めの山小屋とお鉢巡りにも興味津々。横浜方面からのアクセスを考慮に入れ、これらの条件をすべて満たせる河口湖口の登りと御殿場口の下りをセットにしました。私自身はこのルートを3年前に経験しています(
みんなの登山記04-16)。
交通渋滞で御殿場からのバスが40分も遅れ、河口湖駅に着いたのは登山バス発車の2分前。近くのコンビニで飲料、食料を調達する算段がもろくも崩れました。五合目到着は13:05。ロッジ風の建物内にあるレストランで食事をしました。私はうどん。息子が頼んだホットドッグは、ソーセージの長さが見本の3分の1しかなくてプンプンしていました。
食事後、売店で飲料を探しました。売っているのは500ミリリットルのペットボトルばかり。コストパフォーマンスと持ちやすさから言えば、2リットルが一番いいのですが、なかなか見つかりません。ようやく発見したのは「富士山の水」(笑)。お土産の品を持って登るとは思いませんでした。2リットル1本+500ミリリットル2本を買いました。
小御岳神社で無事登頂を祈願して、14:00に出発。気温は20℃ぐらい。ガスは出ていましたが、天気が本格的に崩れる気配はなし。それよりもハードルになりそうだったのは登山者の多さです。六合目ではすでに大勢のツアー客が滞留していました。先週で夏山シーズンは終わっていたはずなのに、これには驚きました。
長男より体力があるはずの次男ですが、どうやら風邪気味であることが判明。らくちんなはずの六合目までの登りで結構疲れています。七合目に向けてのジグザグ道がつらそう。何度もしゃがみ込んで水を飲み、兄を助けた酸素缶の力も借りました。ただし七合目花小屋の下から遂に渋滞。大幅にペースダウンしたおかげで、少しは楽になったようです。
七合目東洋館のあたりでガスを脱出。気がつくと背後に雲海が広がっています。息子は初めて見る雲上の景色にしばし我を忘れていました。八合目太子館わきに富士山の登山者を記録するカウンターを発見しました。めでたく吉田口の登山者として2人カウントされたはずです。
登り始めから4時間後に予約していた八合目蓬莱館に到着。団体客が入って満室でした。寝床はふとん1枚の2人の割合。カレーライスを食べてから(量が少ないです)シュラフにもぐりこみました。息子はスースー寝られて一安心。この日も外国人客が多く、広間からは遅くまでネイティブから片言までいろんなタイプの英語が聞こえていました。
団体客は23時台に宿を出るという予定で、それでも頂上でご来光が拝めるか微妙ということでした。そのペースで登るのは無理と判断して、3:40に出発。息子は不快を訴えますが、少し休ませると回復するパターン。のんびりとしたペースで登り続け、九合鳥居の手前でご来光を迎えました。その後もゆっくり登り、3時間半後にやっと頂上にたどりつきました。
息子は小屋の前にへたり込み青息吐息。蓬莱館でもらった朝ごはん(レトルトの炊き込みご飯)をパス。比較的暖かったのですが、強風が吹き荒れてはお鉢巡りする元気もありません。長男と同様、剣が峰を断念。もはやこれまでと御殿場口の下山口に向かいます。途中のトイレは20人ぐらいが行列を作っていました。8:30下山開始。
自分ひとりだと楽勝の下山ですが、息子が太もも・ふくらはぎとも痛さを訴え、またも休み休みの歩きとなりました。お楽しみの大砂走りでは、高度が下がって息子の不快は収まったものの、今度は疲労が頭をもたげます。少し駆け下りては少し横になる繰り返し。次郎坊からの長い長い下りに音を上げつつ、下山から4時間後に大石茶屋に到着しました。水は1リットル以上残りました。
大石茶屋で息子はうどんを食べ、ひとごごちつきました。父親は車ではないので、ビールをキュッと1缶飲み干し、冷え切ったレトルトご飯を胃に納めながら、なんとか引率登山をやり遂げた余韻に浸ります。新五合目からバスを乗り継いで自宅に帰ったころには、息子はケロッとしていました。さて、三男は2年後に兄たちが行けなかった剣が峰に到達できるか。
★タイムスケジュール(カッコ内は高度表示、前者の#はプロトレック君による計測、後者は公式の標高)。プロトレック君は頂上で100mぐらいの誤差が出るようです。
河口湖五合目(2305)1400→1432六合目1442→1635富士一館(#2785、2820)1640→1715東洋館(#2870、2900)1723→1802蓬莱館(#3025→3040)340→415元祖室(#3190、3250)420→512(#3370)ご来光→555鳥居(#3475)600→712頂上(#3620、3720)830→948赤岩館(#3225、3300)955→1020砂走館(#3055、3110)1025→1135次郎坊(#2070)→1225大石茶屋(#1535、1520)1258→1306御殿場口新五合目(#1455、1440)
このサイトは初心者の9月の富士登山は勧めていませんが、1〜2日の河口湖口は上述のようにハイシーズン並みの大渋滞。もちろん初心者だらけです。8〜9日もそれに準じる混雑だったようです。大手旅行社が団体ツアーを組んでいるから、それを受け入れる山小屋も閉じないでいる、というパターンでしょうか。それなら初心者の9月上旬の富士登山は大丈夫でしょうし、問題があるなら大手旅行社はツアー企画を再考すべし、という気がします。