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 みんなの登山記2008−42
 投稿者:S.Tさん

■2008年8月11日(月)〜12日(火)河口湖口

昨年、須走口から登ったので今年は河口湖口にした。これも昨年と同じ5合目一泊翌朝出発という行程で。宿は富士急でやっている大きなところ。山麓の大きな駐車場に車を止めてそこから5合目までバスで行く。駐車場近辺には陸上競技場などがあり合宿している人がいる。5合目までのバスから一度だけ右側に富士の山容が見えた。午後5時過ぎに観光地の終点のようなところに着く。中国語を話す団体さんが多い。ツアーのルートになっているのだろう。登山の人たちではない。泊まる所は1階が売店、2階が食堂、3階が部屋になっていて売店には大勢の人がいる。部屋には6人分の布団が敷いてある。6時に夕食としていたが早すぎるので7時にして貰った。バスが止まるところではこれから登り始める団体の人たちが説明を受けていた。ガイドさんが「私を追い越して行ってはいけません。最後尾からは添乗員さんが行きます。」と説明していた。新潟方面からの人たちのようだ。売店を見て回ったり、外で山の写真を撮っているうちに館内放送で夕食の呼び出しを受けた。生ビールが美味しかった。

部屋に戻るとアイマスクをしてもう寝ている白髪の方がいる。まだ眠くないので下の売店のあるところの椅子で缶ビールを飲む。後ろの席では若者のグループがビールやら日本酒やらを飲んで騒いでいる。甚平のようなものや着流しの格好の者もいる。天井のスピーカーからは男女二人による富士登山の歌が流れている。なかなかいい歌だ。今回も息子と二人で行ったが、息子が同じ部屋の人と話した ところ明朝は2時とか3時とかに起きると言っているらしいので部屋に引き上げ寝ることにした。寝床についたのは9時過ぎであったろうか、簡単に寝付けるものではない。下のバス停には次々とバスが止まりご来光を目指して登って行く人の気配が感じられる。何度か起き出して下の売店に行ったり外に出てみたりした。売店には黒とベージュの、正面にfujisanと書かれたキャップが売ってあって迷った末に黒の帽子を買った。いつもは汗止めのためもありタオルで捻り鉢巻きをするのだが今回はキャップにすることにした。700円だからいいだろう。

部屋に戻ったら息子の方は微かに鼾をかいて寝息を立てている。そのうちに寝付くことなどできない程の猛烈な鼾が響き渡った。息子のではなく前に息子と話しをした部屋の人だ。確か背が高く色が浅黒く眼鏡をかけた肉付きの良い人だ。私の足下の方に頭がある。その内にアイマスクを付けている人も目が覚めたようでごそごそするようになった。1時間以上も鼾の音を我慢したがついに私も息子も耐えきれなくなり起き出して部屋を替えて貰うよう交渉したが空き部屋無いと言う。それなら団体さんが着替えする部屋があるでしょうと言ったらそこに布団を敷いてくれた。何時頃に寝付いたのだろうか。午前2時を過ぎていたのかも知れない。気が付くと息子はもう起きていて4時半を過ぎている。前の部屋に戻ってみると誰もいない。他の部屋の人も皆出発してしまったようだ。そう言えば昔新婚旅行の時にケーブルカーに乗り遅れ団体からはぐれてスキー客と一緒にゆったりしたスペースで乗ったこともあった。5時前に出発したが歩いている人は誰もいない。平坦な道を、右に山の木々を見ながら暫く歩くと視界が開けたが、山容が今ひとつ宜しくなくただ登山道がジグザクと続いているのが見えるだけである。須走口からだと裾を広げた雄大な姿が見えるのだが少し残念である。どんどん歩いていく内にやがて先に登って行った人たちに出会うようになってきた。息子は最近運動をしていないので遅れ気味になってきた。岩場に差し掛かるとあちこちで岩に腰掛けて休んでいる人がいる。一度休むと集中が切れそうになるので出来るだけ休まないで行くようにする。ご来光の方は、雲が高かったので日の出の後高い雲から 顔を出した太陽を拝むと言うことになった。その内に、何合目かの小屋の前で例の鼾の主が奥さんと娘さんの3人で休憩している所に遭遇した。どうもこの一家は奥さんの方が健脚で旦那さんはやっと付いてきているという塩梅だ。体型も奥さんの方がスマートだ。この3人が休んでいる内に当方は出発し9時15分頃には東北奥宮(久須志神社)に着いた。




(左上)6:32 七合目の岩場
(右上)7:44 雲海
(左)8:20 下山道


携帯で秋田の家内に連絡する。息子の方は息が切れるとか時々深呼吸をしないと続かないとか言っているようだ。上から見ても姿は全く見えない。昨年と同じパターンだ。また剣ヶ峰の下ででも出会うのか。このままここにいても仕様がないので剣ヶ峰を目指す。着いたら頂上の標柱のそばで昨晩の若者グループが車座になり一升瓶を立てて大声で話している。上半身裸の者もいる。相変わらず元気だ。自分はそばにある測候所の高くなっている縁石に腰掛け、靴と靴下を脱いで少し早い昼食を摂った。早いと言っても旅館で用意してくれたおにぎりを食べたのが朝5時前だったのだから早くもないか。大きな若い白人が上半身裸になり日焼け止めクリームを塗っている。何度か見た追い越したり追い越されたりした顔だ。富士登山者の3割は外国人だそうだ。やがて海側の方から雲が湧いて暗くなって来たので降りることにした。今年は雲が多いので駿河湾も伊豆半島も見えない。測候所から降りるとやはり息子が脇の石に腰掛けていた。もう少し休むと言うので自分は左の火口へ下って行く道を通り東北奥宮の方に戻って行った。 火口にも何か建物らしきものがあり人の姿も見える。観測でもしているのか。

下りの道は砂地が延々と続く感じがする。小屋もないので普通の速度で降りていくと後ろから昨夜宿で一緒で、頂上でも酒盛りをしていた例の若者グループがすごいスピードで降りていった。それも着流しに雪駄やらサンダルのようなものを履いて走って行くような感じで降りていく。新しくできたと思われるトイレのとこで一休みした。それから俄然元気で出来てどんどん追い越して降りていく内緑の多い所に出るとこれから登る人たちに出会う。午後2時過ぎであろうか。団体の人たちがぞろぞろと登って行く。こちらはどんどんと降りて行く。 やがて5合目に着き公営のトイレのそばの水道で足を洗い宿のコインロッカーに預けておいた荷物をとりバスでマイカーを止めている麓の駐車場へ向かった。午後4時前頃か帰途についた。

今回の登山を総括すると、二回目でもあるためかご来光や景色について特に感激する程のものは無かった。これは天候の関係と河口湖登山道の景観の悪さによるものと思われる。ただ5合目の観光地のような賑やかさには驚かされた。収穫は宿で聞いた「富士山の歌」と「富士山キャップ」というところか。何事も経験で来年は御殿場口にしようと思っている。随分見晴らしが良さそうだ。


(管理人)
4時間半で登頂とは良いペースですね。山小屋で宿泊する時は壮絶ないびきの人と遭遇する可能性があるので耳栓は必携ですが、今回のいびきはそれでも対処不能だったかもしれません。



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(08/9/7)