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 みんなの登山記2011−12
 投稿者:Y.Iさん

■2011年8月2日(火) 富士宮口

53歳男、横浜市在住。14回目の富士登山です。先月の登山(minna11-3.html)が苦しくも快適だったので、夏休みを利用して日帰りの平日登山をやってみました。家族でただ一人富士山未踏の妻を連れて行きました。登山は初心者向けの富士宮口で、下山はやっぱり御殿場口の利用をプランしました。

■ガスに包まれて肌寒い
早朝に自宅をマイカーで出発し、東名高速はスイスイ。平日ですから新五合目駐車場まで上れます。ありゃりゃ。1キロ手前から下り車線に駐車の列。シーズンは平日だと言っても侮れません。でも空きスペースを信じて駐車場に向かい、ラッキーなことにちょうど目の前で帰り車が出ました。そのスペースをゲットして0645駐車場到着。

車のメーターが示す気温は12℃。辺りはガスに包まれています。しょぼしょぼとした雨模様で肌寒く、初心者連れにはいい天気とは言えません。雨具と防寒用のフリースを確認して0800出発。新七合目で10分ほど休憩。暑くないのはいいことで、妻は特段疲れた様子もなく、上まで行けそうです。元祖七合目でガスが晴れ、太陽が顔を出しました。

■登山道崩壊の危機
元祖七合目と八合目のちょうど真ん中あたり。去年9月に土砂崩れの影響で危険を感じたところ(minna10-52.html) を通過したときに周りをよく見回すと、やっぱり大岩が転げ落ちていました。頼りない岩止めはひしゃげ、落ちた岩のひとつ、1mほどの大きさのものが登山道をふさいでいます。

崩れた大岩群(写真上が頂上)


登山道をふさぐ落石


見下ろせばU字谷がさらにえぐれ、去年の登山道自体が崩れており、頂上寄りに新しい登山道ができています。この場所は富士宮口、ひいては富士山の登山口で一番のウイークポイント。登下山時には山頂方向と足元の安全を十分に確認しなければいけません。今年から来年にかけてさらに崩れていくのではないかと心配です。

■下界も雲海も見えず
登るほどに空気は冷たくなりましたが、九合目萬年雪山荘の温度計は16℃を指しています。冷気と日差しが相殺する感じ。妻は私よりも軽やかな足取りで歩き続け、1250に登頂。登山者数は多すぎず少なすぎずでした。おにぎりで腹ごしらえ。アルコール温度計を持ってきたのを思い出し、日陰で計ると11.5℃ぐらいで、暑くもなく寒くもない天気です。

山頂は太陽こそカンカン照りでしたが、分厚いガスに包まれて下界も雲海もまったく見えず、剣が峰すら一時はガスに覆われて所在が分からないほどでした。馬の背を越えてその剣が峰にたどり着いて記念写真を撮影。やっぱりガス以外は何も見えない景色に妻は少しがっかり。今度はご来光を見ようと励ましました。

■御殿場口に多くの登山者
ついでに御鉢巡りをすませ、御殿場口から下山を始めたのは1445。 驚いたことに過疎で知られるこのルートで多くの登山者とすれ違いました。当日に山頂を目指していた20人(!)、八合目から七合目の間で20人、七合目以下で15人。 荷物を持たないトレランが10人含まれます。わらじ館が復活しており、御殿場口もまんざらではない?感じです。

そして恒例の大砂走り。登りに比べると膝への負担が気になっていた妻は、くるぶしまでズブズブともぐりながら楽々歩けるので大助かり。スパッツが砂礫を完全防護してくれます。富士宮口をそのまま下山していたら、膝が悲鳴を上げたことでしょう。宝永火口は6月に落石があったので、ガスに覆われた山肌を見上げながら慎重に下りました。

■樹林帯を水平移動
そして最後のお楽しみ。今回は富士宮六合目を目指さずに、直接途中の分岐点から御殿庭方面に左折してみました。だらだらと300mほど下りてから右折し、樹林帯の中を抜けました。須走口下山時の樹林帯は足場がおぼつかないのですが、こちらはほぼ水平移動。静謐な自然を余裕をもって味わうことができます。

駐車場の東端に1745到着。日暮れ時でやや暗くなっていました。1カ月前とはずいぶん違いますね。妻はさしたる疲れもなく、元気いっぱい。去年は塔の岳でバテていたので不思議です。水分は2人でアクエリアス3リットルを消費しました。樹林帯コースは人が少ないのがよしあしですが、バラエティールートとしてお勧めできます。

タイムスケジュール:新五合目800→六合目816→903新七合目916→956元祖七合目1006→1042八合目1055→1127九合目1140→1208九合五勺1216→1250山頂1445→八合目1545→七合目1610→宝永火口上1645→新五合目1745


(管理人)
御殿場口は富士登山駅伝(2011年は8月7日に開催)の頃が一番賑わいます。宝永火口から樹林帯を通過すると新六合目まで登らずに駐車場へ戻れるので楽です。さすがに登山ルートを熟知されています。



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(11/8/6)