■2011年8月4日(木)〜5日(金) 富士宮口
今年は念願が叶い息子と2人で親子登山をしてきました。息子は中2ですが既に自分より身長も体力も
上回っています。私が勝てるのは体重と富士登山の回数だけでしょうか。息子は今回がはじめての
富士登山で私は10回目になります。
ただし10回目と言っても、体調不良(高山病?)、荒天、ハイキング代わりの登山、と、途中で下山
したことが3回あるので、山頂まで行ったのは今回を含め7回です。10回目にしては登頂率は低いかもしれません。
今回は初の親子登山であり私自身の10回目の記念登山という位置づけでもあります。誰も祝ってはくれませんが(苦笑)。
○ルートと日程
今回は、息子と一緒なので安全で確実なルートと日程ということで、八合目の池田館で宿泊し、
剣ヶ峰経由でお鉢めぐりを半周?して須走口に降りるルートにしました。世間一般の方がいいと思う
ルートかはわかりませんが、私自身はこのルートを一番多用し熟知しているつもりです。
○五合目まで
東海道線で三島駅に向かい三島駅から登山バスで富士宮口新五合目に向かいます。途中まで富士山は
雲に隠れていましたが、トイレ休憩の”ぐりんぱ”ではかなり見えるようになりました。
嫌でも気持ちが奮い立ちます(笑)。
バスは順調に走っていたのですが、残念ながら3.6kmポストから路上駐車がありここで30分も足止めを
食らってしまいました。車で登山に来ることをとやかく言うつもりはないですが、シーズン中とはいえ
平日にこんなに路上駐車が発生する現状で本当に
いいのかなと感じてしまいました。バスは定刻より30分遅れて12:50に富士宮口新五合目に到着。
○新五合目13:41〜新六合目14:01
新五合目では高度順応を兼ねて、食事をしたり軽く準備運動をします。
本当は高山病防止のため、もうちょっと長く新五合目に滞在したかったのですが、
予約してある山小屋の食事時間の制限(18:00までにチェックインが必要)があり、
時間に余裕を持たせるためこの時間に出発しました。余程のアクシデントがない限り
間に合うはずです。息子は新五合目で金剛杖を購入し、新六合目で早速両方の
山小屋で焼印をしてもらいます。
○新六合目14:17〜新七合目15:12
この区間はいつ登っても55分と鈍足ながらも安定した登山です。と
昨年の登山記に書かせてもらいましたが、今年も見事に55分です。
昼間にこの時間に登ったのは過去に1度だけですが、前回同様大量の発汗と
大量の水分補給です。
○新七合目15:25〜元祖七合目16:35
新七合目で早くも自分はヘロヘロなのに息子は余裕です。さすがにバスケットで鍛えているだけあります。
しかしこの先の上りでちょっとしたアクシデントが発生しました。
息子が靴擦れを起こしてしまい、歩くと少し痛いと言い出しました。普通に歩けない事はありませんが、
少しスピードを落とし歩きます。息子の歩き方を見ていたらつま先から着地しているので、足裏全体で
着地するように教えたら、痛みを感じなくなったというので歩き方にも問題があったのかもしれません。
事前に靴擦れを起こしそうな場所に絆創膏を貼っておいたので、靴擦れも軽症で済みました。
○元祖七合目16:50〜八合目17:35
時間までに山小屋に着けそうなので、気持ちに余裕が出てきました。息子も靴擦れが解消した
ようで、先に進んで行きました。息子は八合目で10分以上待ったようで、体重差を強く感じてしまいました。
○八合目宿泊
今夜は池田館に宿泊。夕食のカレーライスは息子が自分の分も含めほぼ2人前を食べました。私は
疲れると固形物がなかなかのどを通らないので、カレーは1口2口食べただけでチョコをなめました。
夕食後さっさと就寝します。息子が寝ている間に高山病にならないか少々心配でしたが、まったくの杞憂で
、それどころか自分の方が軽い頭痛や動悸がする始末です。もっとも寝ている間に呼吸が浅くなるから
出る症状で起きてしまえば直ります。
夜中に山頂でご来光を見る方が出発されますが、山小屋の方は天気予報が悪いから、装備(特に雨具)が十分でない人は
登らないようにとアドバイスをしていました。当然ですね。この時点では星空も見え下界の明かりも見えて天気が
よかったので、息子を起こして登ろうかと思いましたが、熟睡モードでしたので結局朝まで寝て6時近くに出発しました。
○八合目5:52〜九合目6:40
十分な休養をとり、朝食もそれなりに食べて出発します。八合目は雲海が広がっていました。防寒着
(レインコート)を着て出発しましたがすぐに暑くなり途中で脱ぎました。
そろそろ下山の方とすれ違うことが多くなり少々歩きにくくなりました。
○九合目6:55〜九合五勺7:39
相変わらず下山の方とのすれ違いが多く、これが富士宮ルートの難点なんだなと思いましたが、たまたま山小屋で
隣で寝ていた親子が降りてきて話ができました。3時半近くに山小屋を出られた割りに、ご来光には5分ほど間に合わなかった程度だ
そうで、なかなか健脚な親子でした。しっかり剣ヶ峰にも行ってきたとの事です。三重からいらっしゃったそうですが、中1の息子
さんはいい夏休みの思い出になったのではないでしょう。下山する方々にがんばってと声をかけられ、
決してすれ違いで混む事も悪くないぞと思ったりします。
○九合五勺8:00〜山頂8:44
ここまで来ればあと少しです。でも山小屋で十分休養した割りにペースが上がりません。息子も息切れがすると言うので
酸素缶を吸ってみました。そうしたら何か体がすっきりしたような気がします。軽快にとは行きませんが、
今までより坂が緩やかになったような気がしました。遅い方がいて道が詰まりましたが、それでも九合五勺から山頂まで
44分ですから私としてはまあまあのスピードです。やはり酸素を吸った息子は30分切って登ってしまいました。
酸素缶の効用は気休め程度といいますが、多少のドーピング効果はありそうです(笑)。
○富士浅間神社奥宮と郵便局
私はいつもストックを使い金剛杖を使わないので、浅間神社奥宮で刻印をしてもらったことがありませんが、
今回は息子が金剛杖を使用したので参拝後に刻印をしてもらいました。新五合目からすべての
山小屋で焼印をしてもらったので、金剛杖はなかなかの風格になりました。
また、自分が登ったときはまだ営業期間でなかったり、営業時間前だったり大混雑だったりで利用しなかった郵便局も利用し、
登山証明書や富士山頂郵便局限定の切手セットを購入しました。息子はスタンプを押してたくさんのはがきを
出していました。ご来光を見るだけではない山頂の楽しみがありました。
○剣ヶ峰
せっかくここまで来たからには天気もいいし剣ヶ峰へ行かないのはもったいないですし、息子も3,776mにこだわって
いたので馬の背を息を切らして登ります。剣ヶ峰の碑で記念撮影後に一番高いところにある岩に息子にタッチさせます(笑)。
ただ誰がやったのか、野球のボールが2つ置いてあり、賽銭のようなお金もいくつか置いてありました。
個人的にはこういうのは好きになれません。赤いペンキのマークだけで十分だと思います。
剣ヶ峰から時計回りに須走ルート(富士スバルラインルート)頂上を目指します。山頂でも結構暑いので下山開始前に
半袖に着替えました。
○下山開始
山頂から降りはじめ数分で雲の中に入り真っ白になってしまいました。そのうちにぽつぽつ雨が
降り始めたので、レインコートを着用します。2年ぶりの須走ルートの下山(昨年新7合目までハイキング登山に
来たので、新七合目から下は通りました。)
ですが、一昨年まで通れた下山道の一部がブルドーザー専用になっており、本七合目の少し上から本七合目の
見晴館までは登山道と下山道が共用になっていました。ブルドーザー道の方が個人的には歩きやすいのですが、
今回は焼印が欲しかったので、結果的には若干でも登り返さないで済むこちらのルートは助かりました。
見晴館からは元々下山道との連絡路だった道を通り以前からの下山道に合流します。
須走ルート下山道のハイライトは砂走ですが、雨で砂が若干硬いためか皆さん難儀していました。
もちろん自分たちも難儀しました・・・。
○須走口新五合目
山頂を10:50に出発したのに、今回は新五合目に到着したのが14:35とかなりのんびりした下山となりました。
ちょっとしたロスタイムが重なったこともありますが、霧、雨、硬め砂走とこのルートとしては比較的難易度の高い
下山だった気がします。
新五合目まで降りてきて、東富士山荘でさっそくコケモモのソフトクリームを食します。体のクールダウン
には最適です。息子は腹が減ったというので、きのこラーメンを食べましたが、こまめにいろいろ食べていたため
少し残したので残りは私が食べましたが、きのことラーメンの組み合わせが実においしいです。これはオススメです。
○温泉
須走口新五合目から登山バスで御殿場駅に出て、御殿場駅からは時の栖にある
気楽坊という温泉で汗を流します。
以前の投稿でも書きましたが、今回は平日なので800円(週末は1,000円になります)の行水券(立ち寄り湯)で
風呂に入ります。1時間内にいったんロッカーキーをフロントに返し展望レストランで食事をするといえばロッカーキーと引き替えに
精算用のバンドをくれ行水券の時間を超えても行水券の追加料金なしで食事ができます。
ただし食事時間はおおむね1時間が目安のようです。
私はここで昨日食べ損なったカレーを食べ、御殿場高原ビールも飲みました。息子と2人で富士登山を
振り返り話をしますが、帰ってきた言葉は「富士登山はきついからもういい」と・・・。以前会社の人間と富士登山した
あとに、このレストランで同じ事を言われました(笑)。
○終わりに
今回は1人だけの登山ではないので、少々緊張した登山でしたが、時間と装備だけは十分余裕を持っていましたので
困る事はありませんでした。ただし日焼け止めを自宅に忘れ、首がヒリヒリしました。
自宅に到着したのが22:30と今まで富士登山した中ではダントツで遅い時間の帰宅
となりましたが、山小屋で十分休養を取れたので問題ありません。金銭的に負担がかかりますが、山小屋を利用すると
山頂だけでなく下山後も行動範囲が広がり富士登山の余韻に浸れます。親バカですが、富士山を見るたびに息子が
「あの山のてっぺんまで行ったんだよなあ」と思ってくれればと思います。