■2011年8月6日(土)〜8月7日(日) 須走口
39歳の私(父)、5歳(幼稚園年長)の次女。父娘二人で登りました。
昨年、長女が
2回目の挑戦で登頂に成功、今年は次女に挑戦権が移りました。
我が家の定番ルートになりつつある須走ルートを今回も選択しました。
長女が同じ5歳で挑んだ初回は、悪天候が理由ではあったのですが、新七合目で登頂を断念し、下山しています。
それで次女は「私はお姉ちゃんを超えて八合目まで行く」と、妙なライバル心を燃やしています。
しかし次女は、今回の富士山が山登りデビュー戦。
父としては七合目まで登ってくれれば上等と考えていましたが、結果的に七合目どころか、次女目標の八合目も超え、登頂に成功。
この結果には、正直私も驚き、長女もちょっと悔しがりながらも素直に褒めていました。
【準備・計画】
過去2年と同じルートであり、そのときの記録を参考に計画を立てました。
小さい子連れなので、夜間の登山は全く考えず、明るい時間帯だけで行動します。
宿泊を新七合目にするか、その1つ上、本七合目にするかは悩ましい問題でした。
昨年の長女は本七合目に宿泊して登頂に成功していますが、次女は初日にここまで登れるだろうかと不安でもあり、登頂を目標にしていなかったこともあり、欲張らずに新七合目の宿泊としました。
もうひとつの理由として、トイレが別棟でなく、屋内にあることも、小さい子にとって安心材料でした。
初日の予定は、11時にバスで新五合目に到着、12時から登山開始です。
新七合目到着まで、長女5歳の記録では4時間05分、6歳の記録では2時間58分でした。長女よりはスローペースだろうという予測のもと、17時までに新七合目に到着できればいいと思っていました。
2日目の予定は、山小屋でご来光を迎えたあと、6時ぐらいから行けるところまでゆっくり登るという、非常にアバウトなものでした。
とにかく登頂は無理だろうと思っていたのです。
今となっては、次女に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
【1日目】
週間予報の段階ではまずまずだった天気予報も、予定日が近づくに連れ、降水確率が次第に高い数字を示すようになりました。
新五合目に着いてみれば霧の中、時折小雨も降るコンディションでした。
残念ながら、いい景色は望めそうもありません。
11:00 新五合目到着
軽い食事と高地順応のため、しばし休憩。
次女は帰りのお土産を物色、また今回も焼印収集のために金剛杖を購入。
11:58 登山開始
正確な行動記録のため、GPSでログを取り始めます。
古御岳神社では、今年も無事下山できるよう、そして楽しい登山になるよう祈願しました。
13:01 新六合目に到着
あれっ? けっこう早いぞ。
13:35 本六合目に到着
あれあれっ? めっぽう早いぞ。
しかしここで、大粒の激しい雨とともに、雷様が近くで暴れ始めました。
大人であっても、ものすごい恐怖です。
上の方からも人が引き返してきて、ここに避難をし始めました。
13:51 本六合目から再出発
今日の宿泊は、この一つ上。
雨が小止みになったのを見計らって、再出発しました。
新七合目まであと200メートルの看板を見つけたときは、心の底からほっとしました。
14:42 新七合目に到着
結果的に、休憩時間も入れて2時間44分で到着。
登山前に想定していたタイムの約半分です。
大陽館で受付をしていると、外から大雨の音が。
5分遅ければ、大変な思いをしたでしょう。
本当にラッキーでしたし、我が娘ながら、よく頑張ってくれました。
土曜日に宿泊するのは初めてでしたが、廊下にも隙間なく寝袋が並べられるほどの大盛況。
いびきと熱気、人の出入りで、とても寝苦しい一夜となりました。
また、満天の星や夜景を楽しみにしていたのですが、今回は完全にガスの中、100メートル先も見えない状況で、とても残念でした。
【2日目】
4時10分頃、朝食の準備ができたとの合図で起床。
次女は、こんな早い時間に起きた経験もなく、ビックリしています。
もちろんその分早く寝ているのですが、やはり寝苦しかったようで、これが後で響くことになります。
長女のときは、ご飯をもりもり食べていましたが、次女はほとんど手を付けません。
これも後で響くことになります。
4時50分頃、雲海の中からご来光を迎えました。
いまのところ、山頂方向は雲ひとつなく、風も無風のいいコンディションです。
昨日は思いがけず早いペースで登れたので、登頂できるかもという欲も膨らみます。
しかし、次女はいまひとつ納得いかない様子。
「富士山はどこ?」「どこって・・・?」「青と白が見えない」
5:39 新七合目を出発
6:11 本七合目に到着
歩くペースはいいのですが、登り始めると、次女のテンションが明らかに昨日とは違います。
お腹がすいたと言うので、ここで早速のおやつ休憩となります。
やっぱり今日の目標は「行けるところまでゆっくり登る」に戻します。
6:27 本七合目を出発
6:47 新八合目到着
次女目標の八合目到達で、本人はやりきった感ありありです。
「眠い、下山したい」とも言い始めました。
でも、ここから上を眺めれば、すぐそこに本八合目や八合五勺の山小屋が見え、山頂だってはっきり視界にとらえることができます。
時間だってたっぷり余裕があり、ここで下山させたらもったいないという親の欲が出てきます。
「もう一つ上の山小屋まで登ってみようよ」「うーん・・・」気のない返事。
ここで次女のやる気を奮い立たせる魔法の言葉が出てしまうのでした。
「頂上まで登ったら、DS買ってあげようって思ってたんだぁ」
7:21 本八合目到着
7:43 八合五勺到着
魔法の効果も1時間が限界か、ここで再び苦悶の表情に。
頂上まで行くか、下山するか・・・、いや、DSもらうか、下山するか。
「出口はどこ?」「出口はね、頂上に行かないとないんだよ」
実際、八合五勺は下山道に接していないので、あながち嘘でもないのですが・・・。
次女は渋々登り始めます。
しかし、ここからは完全にペースダウン。
手頃な石を見つけては座り、数歩進んでは休憩、という繰り返しになります。
時間には余裕があるので、次女のペースで一歩一歩登っていけば、いつかは山頂に着くはずです。
8:35 九合目の鳥居を通過
「おかあちゃんはどこ〜、おかあちゃんにあいたい〜」
とうとう大泣きしてしまいました。
家で留守番している「おかあちゃん」が九合目に跳んできてくれるはずもなく、かと言って、携帯電話で話すぐらいでは納得せずで、プチパニックに。
私からも、周りの方からも「もうちょっとだよ」と励まされますが、「もうちょっと」が1時間以上も続くと、もう信じようとはしません。
「本当にもうちょっとだよ。がんばれ」
9:33 やっとの思いで山頂到着
九合目から1時間、あと200メートルの標識からでも40分かけて登りました。
山頂に着いて撮った写真は、全部泣き顔になってしまいました。
金剛杖に御朱印を頂き、ベンチで休み、ゆっくりジュースを飲むと、少しずつ元気を取り戻してきました。
火口を見学、でもその向こうに見える剣ヶ峰には、さすがに行くことはやめました。
9:55 山頂滞在22分にして下山開始
とにかく早く下山したいと言うので、早々に出発です。
これまでの流れから、下山も難儀するだろうと覚悟していました。
しかし、予想に反して快調に飛ばし、私がついていけない程のスピードで下りようとします。
さっきまでの涙はどこへいったのか、表情はすっかり満面の笑み。
登りでもらい損ねた焼印をお願いしたり、おやつ休憩をとったりしながらの楽しい下山となりました。
12:01 砂走りに突入
12:40 砂払い五合に到着
砂走りはとにかく楽しかったようで、うまくバランスをとりながら、駆け降りることができました。
砂払い五合で最後の焼印を頂いていると、雷鳴とともに雨が降り始めました。
でも、ここまで来てしまえば、あとは森の中。
木々が傘代わりになって、ほとんど濡れることなく歩けました。
13:17 新五合目に下山
今回も無事に戻ってこられたこと、そして5歳の次女が初挑戦で登頂できたこと、かき氷で祝杯をあげました。
翌日、約束通りDSを手にした次女は、それはもう大喜びでした。